フローラルな香り?
合図とともに一斉に噴射される『○〇リーズ』。
外とはいえ、こんなに一斉に噴射されればかなりの香の攻撃。
標的にされた彼等は「え、ま?」「嘘だろ」と叫んでいたが、さすがに匂いにたまらずむせて撃沈している。
もっと我慢できない奴らが、声にならない悲鳴をあげだした。
「さすがにむせるね~」
「俺、風下なんだけど」
「あっみてみて、めっちゃ効いてる!」
「虫に殺虫剤、大量噴射してる気分だわ」
「ちょっと、何するんですか!」
「もうちょっと、お待ちくださいね~」
のんきに感想を言い合っていたら、眼鏡スーツさんから抗議の声が上がった。もっともなんですが、はっきり視えるまでちょいとお待ちください。
ゲホゲホとせき込んでいる彼がはっきり見えてきた。風が吹き抜けると、今まで視界を曇らせていた原因の霊団が、フローラルな香りの暴力に我慢できず逃げ出したのだ。
本当に効くんだ『○〇リーズ』、ネタかと思ってたよ。
数多すぎるし鬱陶しいから、先生じゃないけど害中扱いで追っ払っいました。
周辺一帯がフローラルな香りに包まれましたが、そんなメルヘンには似つかわしくない者が霧が晴れると共にはっきりと視えるようになった。
「うわっ!」
眼鏡君がはっきり視えたモノに驚愕する
────あらまあ、どでかい真っ白狐だこと。
彼は片膝をついて、意識を保っているのが精一杯みたいだ。
がっつり彼にくっついたまま、こっちに向かってメッチャ威嚇してくる。
「───コレはいわゆる、モフモフ枠ってやつでは?」
「毛が抜ける類は、私ちょっと‥‥‥‥」
「デカすぎる」
「勝手に拾ってきたら、ダメよ田中君。近くに親とかいるかもしれないでしょ」
先生、それなんか違います。野生動物の話じゃ‥‥‥‥。
まあいいや、これだけはっきり見えれて実体があれば、後は簡単なお仕事だ。
「田中君行きなさいよ。持ってるでしょ、箒」
「何で知ってるんですか?っていうか、俺がやるんですか?」
「『神フォン』でいわれたじゃん」
「派手にするなって」
え、理不尽。俺なら派手じゃないのかよ。派手じゃないけどね!俺の獲物は『2-C ②』と書かれた箒!
①は前回酷使しすぎて、ガムテでグルグル補強のうえ掃除道具入にお帰りになりになられました。代わりに②を拝借しております。
シュッシュッと素振りをしながら、白狐に狙いを定める。
それに狐が気付き、威嚇しようとするが─────
「せーの、わっしょ─────いっ!」
─────バシィっ!と鼻面に箒をたたき込んでやる。
めりぃっと彼から狐が外れたが、今度は七瀬さんの方に飛びかかっていった。
「『おすわり』」
びたーんっ!
七瀬さんの容赦ない指令に、おすわりでもなんでもなく地面にビッタンされた。痛そうだな。気を取り直したのか今度は先生に向かっていく
「『ふせっ』」
─────どんっ!
先生も容赦なし、伏せじゃなくて地にめり込んでます。
それでも白狐は二階堂委員長に向かっていく。結構頑張るな、お前
「往生際悪いな─────はい、おやつっっ!」
御供であったろう、高そうなリンゴが強引に口の中に突っこまれ、後方に吹っ飛ぶ。
口にリンゴくわえたまま白狐は再度、俺に方に向かってくるっ!
なんだよお前!そんなに頑張るなよ!箒②が道具入れに帰っちゃうじゃないかよっ!
再度箒をたたきつけようと大きく振りかぶったら、お社の扉がパアァ───ンと開いて、女性の腕だけが伸びてくる。
えっ?と思った瞬間、白狐が首根っこをガっとつかまれ、四肢が空中でぷら~んとなった。
狐の感情なんかわからないのに、何故か絶望感が伝わってくる。
いきなり開いたと思ったら、リンゴをくわえたままの泣き顔(たぶん。)狐を引きづり込みながら、ドパアァ─────ンっ!と閉まった。
『ピロン♪』
『神フォン』の着信音が鳴った。
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