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ドラゴンデュアル  作者: 名無先戦士
第1章 舞い降りる竜の少年
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第1話 未知の下界

「うああああああ!!!!」


晴天の空に鳴り響く絶叫の声。

重力に逆らえず空気に突き刺さらんばかりに落下していた。

何故こうなっているのかというと、俺は神域四天王という偉い神様達の会議で、暗殺計画を密かに練っていたことをその暗殺目的であるゼウスニスにバレている事が発覚し、その刑罰によって天界から落とされてしまったのだ。

落下最中、どうにかこの状況を打破する術を探そうと必死に抗った。

然し、どの手段をしても無意味で出来ることであれば目を瞑ることしかできなかった。

暫くして、身体に伝わるのは強い衝撃と全身に響き渡る激痛。

どうやら、地に叩きつけるように着地したようだ。

本来、死ぬのではないかというぐらいの衝撃だったが、神の御加護だろうか痛みだけで済んでいた。


「いてて…ん?何処だここ?」


瞑っていた瞼を開け、周囲を見渡した。

瞳に映るのは何やら壁に四方八方囲まれた空間だった。

そんな、小さな空間から光さす天へ見上げると、何やらチラシのような1枚の紙が顔一面に貼り付けられる。


「うわっ、なんだこれ?」


貼り付けられた紙を引き離し、その紙の内容を確認すると、大きな文字と風景が記されていた。


「…バトルコロシアム…?」


そう書かれた文字に注視した後、紙の端にある地図のようなものを発見する。

…とりあえず、ここが何処なのかどういうところなのか、このコロシアムって所に行って情報を探るとするか…。

俺は情報を得る為、地図にあるバトルコロシアムの会場へと向かうべくその場を立ち上がった。


先ずは、この壁で覆われた空間から出なくてはならない。

俺は周辺に出口はないかと見渡す。すると、壁と壁の丁度角に1人分の隙間を見つける。

そこへ向かい空間から脱出すると、日陰で覆われた路地裏へと出た。

そこから地図を頼りに光ある方へと向かった。

そこには、沢山の人々が街を歩いていたり、商売をしている商人の姿があった。

…これが下界かぁ、すげぇ人数だ。

その風景に圧倒されつつも、コロシアム会場となる所まで歩を進める。

会場の入口付近には大通りがあり、そこから外は平原が広がっている様子だった。

どうやら、あそこが街の出入り口みたいだな。

キョロキョロと観光しながら目的地まで目指していく。

そこには、白い長机に顔を埋めるように寝ている女性がいた。

情報を探る為にも、声をかけようとする。


「あの…聞きたいことがあるんだけど…いいか?」


「ふぇ?なんでしゅか?……………はっ!す、すみません!はいなんでしょうか!?」


寝ぼけた様子から一辺体を叩き起すように飛び上がった。


「えぇと、ここが何処なのか知りたくて、情報を得る為にも聞きたいんだがいいか?」


「あぁ…冒険者の方ですね?」


「冒険者…?」


耳にしない言葉に1度戸惑いをみせる。


「あれ?違うんですか?」


「違うっていうか…なんていうか…」


「まぁ、とりあえず、ここがどこか知りたいんでしたよね?お教えしましょう!ここは、親米冒険者が旅立つ街であり、三大都市の1つでもあるスータト城下町です!」


「スータト城下町…か」


「はい、そうです!それで…見るに初めてここに来た様子ですが…一見親米冒険者のように感じるような印象、だがしかし意外と鍛えていらっしゃる…特にタンクトップを着ていて目立つ肩の筋肉…そうだ!どうです?コロシアムに参加してみては?」


「コロシアムに参加?な、なんで?」


「それはそれは…、コロシアムで見事優勝出来れば賞金として大金を貰えるんです!優勝すれば生活も豊かになるんですよ!」


「そ、そうなのか…」


受付人である彼女の勢いに負けそうになりながらも受け答えをする。

コロシアムっていうのは…どうやら戦う場所みたいなところなんだな…コロシアムに参加すればもっと多くの情報が得られるかもしれないな…。

参加するかしまいか、悩んでいると横から大きな影が覆い被さるように現れる。

重低音が響き渡る極太い声をその男は発する。


「悪ぃな…あんちゃんよ、そこ退いてくれねぇか?」


「お、おう」


言葉に応じるように退いたあと、大柄の男はコロシアムの中へと入っていった。

それを確認した女性はため息をついていた。


「どうしたんだ?そんなため息なんかついて」


「いえ、あの大柄の男…虐殺集団っていう悪質な集団で有名で…極悪非道なことをするから困ってるですよね…」


「そうなのか…とりあえず決めた!俺も参加するよ」


「お!本当ですか!それでは一応お名前聞かせてもいいですか?」


「おう。神龍竜牙だ」


「竜牙さんですね!では、コロシアムの中へと向かってください!優勝するのを楽しみにしてますね!」


そんな応援を受けながらコロシアムの中へと向かった。

…それにしても、あの女性の人、コロシアムの受付人だったのか…寝てたからそんな印象なかったな…。

未知の下界の様子とコロシアムの殺伐とした雰囲気に緊張しつつも参加部屋へと向かった。

受付にあったコロシアムの地図を手にしながらコロシアム内を歩いていく。

建物は巨大な煉瓦が敷き詰められていて、天界にある建造物とは素材が違っていた。

所々汚れがあり、かなり古くから建てられていることを知った。

初めての物ばかりに目を輝かせていると、俺と同じ様な服装や鎧を身に纏った人の姿が見える。

その者達は一つの部屋らしき空間に入っていた。

どうやら彼処が参加部屋らしい。

俺は彼等に後を追うように向かった。








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