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「何だって?」
「殺すんだ。君は、今、ここで、俺を」
「何だってそんなことをしなけりゃいけないんだ」
「そのつもりで持ってきたんじゃないのか、それを」
ポセイドンが僕の持っている箱を指さした。確かに、それは戦うための武器だ。しかし、それは自衛のために持ってきたのだ。彼らを殺すためではない。
「殺すためじゃない、とでも思っているのか」
まるで僕の心を読んだみたいに、ポセイドンが言う。
「でも、思い出してみろ。それを使って、ヒッポカンポスはどうなった?」
ヒッポカンポスは泡になって消えた。
「でも、死んじゃあいないだろう?」
「ああ、死んでない。ここに呼ぶことも出来るぞ」
あのヒッポカンポスの姿を思い出すと、背筋がブルリと震えた。
「やめてくれ」
ポセイドンはヒヒヒと笑った。
「顔が真っ青だぞ。よほど怖い目に遭わされたな」
彼の笑い方に、聞き覚えがあった。この笑い方は何度も聞いたことがある。どうして、今まで思い出さなかったのだろう。
「思い出してくれたのかな」
ポセイドンがうれしそうに笑った。




