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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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閑話211 支給品

柚季(ゆうき)真桜(まお)視点】

「おい、魔境さ()ぐんだで!」

「姫様、今回は中には入らんからな?」


 言ってみたかっただけよ。

 それに労働酷使というプロレタリアートを表現するにはうってつけの台詞だというのがわからないのかね。

 これだから能無し隊長は……。


「私も所詮、搾取されるだけの人間か……」

「よく分かんねぇが聖女様なんて、搾取する側の代表例だろ、普通」

「ちょっ、マルクス隊長!いくら隊長でもそんな不敬な発言は宜しくないですよ!」

「いんだよ、俺は。姫様から許可貰ってんだし」

「ソラちゃんの前では私も搾取されるだけの人間なのよ。まぁどっちかってーと、私の前世の話よね」

「姫様はまだ働いていない年だったろう?」

「親からは色々と搾取はされてたよ?」


 最後に搾取されたのは実の父親と、自分の命ってね。


「……すまん、嫌なこと思い出させたな」


 マルクスは私の髪をくしゃくしゃと撫で回す……というよりぐしゃの方が擬音としては正しいかもしれん。

 イケオジにくしゃられるのは吝かではないが、マルクスはもうちと手加減というものを覚えた方がいい。

 孤児院育ちだからか面倒見はいいけれど、雑さ加減で損してる。


 これならソラちゃんに抱っこされながら神の手で優しく撫でられバブみを感じてオギャる方が良い。

 ……最近婚約者ができて構ってくれなくなったのよね。


「いとかなし……」

「つか、なんでセリーヌもいんだよ……」

「あん……?マルクス、喧嘩売ってんの?」


 私はセリーヌに抱き上げられながら、無詠唱で光の槍を雨のように降らせて魔物を消していく。

 隣では私の隣でマルクスが魔物を弾き返し、魔法や弓で倒す連携プレイを親衛隊がやってくれている。


「私は真桜様の脚で御座いますから」

「メイドを脚扱いって、おもいっきり搾取してる側じゃねーか……」

「いえ、私が勝手に付いてきたのです。そのために真桜様に訓練していただいたのと、あと、貴重なグミを頂きました……」

「なんだってそんなことに……」

「推しのソラちゃんに貢ぐものがなくて悲しいから、一時的な推し変(浮気)したんだよ」


 そうよ、推しなんて一人じゃなくていいのよ。

 カーラもセリーヌも構ってくれるし、ここにはいい人ばっか。

 そう、聖女院箱推しよ。


「ゴウマン・ウマウマ・ストライキビーム!」


 くっちゃべってる間も魔法で魔物を蹴散らすのはやめない。

 適当な詠唱で無詠唱魔法『ディバインレーザー』を放って魔物を蹂躙する。


「真桜様は一度作者に謝った方がいいと思います……」

「せっかく無詠唱なのに、詠唱してちゃ意味なくねぇか?」

「無駄無駄なんて言ってちゃダメよ。こんな魔物討伐こそ余白を楽しむのがいいんじゃないの」

「真桜様、聖女院から支給品が……」

「お、来たわね!」

「こ、これは……」


 秘薬と、大量の……グミ!?


「これ食って『戦え……戦え……』ってコト!?」


 結局、労働酷使じゃないの!


「一歳児をこんな劣悪な環境で働かせるなんて……エリス……呪ってやるぅ~~!」

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