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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第768話 用心

「――そんな、ここは女学園ですよ!?」

「穢らわしいオスネズミ共が入るというのですか!?」


 既にオスネズミ(男の僕)は入っているんだけどね……。


「じゅ、授業は同じクラスで行うのですか?」

「いえ、そこは先生方も一緒にいらっしゃるそうで、空き教室で授業するそうです。どの学園も聖女学園のように10教科教えているわけではございませんし、同じような名前の教科でも、教えている内容は多少違いますからね」


 ローレル騎士学園で魔法の授業はしないだろうし、オーロラ魔術女学園で武術の授業はない。

 留学中に不都合がないように配慮はされているようだ。


「ただ、配慮されているのは留学生側だけなんですよね……」

「そうですわよね。殿方なんていらしたら、学園の風紀が乱れますわ」

「紳士的な人だけとは限りませんからね。特に男子校の生徒なんて、会話の半分以上は下ネタのようなところですから」


 まぁ女学園も男性がいないことをいいことに、結構ギリギリなトークしてるけどね……。


「まぁここも女学園なことをいいことに平気で堂々とおりもの渡したりしますけれども」

「ですがソラ様、さも内情をお知りなご様子ですが……」

「あ……」

「ま、まさか……元彼氏でも……!?」

「そ、そんなものいるわけないでしょ……。その、昔知り合いに男子校の人が居ただけだよ」


 記憶も性別も知ってるエルーちゃんがなんで驚いてるのさ。

 でも僕自身、高校が男子校だったなんて流石に言えないので誤魔化すしかない。


「どもりましたね」

「つまり、ソラ様は前世でその方に無体を働かれてトラウマに……」

「それが理由で女性愛者に……」

「わ、私達が近づけさせませんからね!」


 なんかどもったせいで意味分からん解釈されてしまった。

 なんで妄想の中で勝手に架空の処女喪失をされなきゃならないんだ……。


「そんな事実はないですから……。でも、警備は強化した方がいいということにはなりました」

「そうですよね。放っておいたら、殿方が食べられてしまいますものね……」

「女学園の生徒からしたら格好の餌食ですものね」


 そ、そっちの心配なんだ……。

 普通は女性の方を心配するものじゃないの?

 まぁでも女性の割合が99パーセントの空間で男の子達が優位に立つなんて無理か。

 聖女学園は僕の方針で「戦闘実技」の教科にテコ入れが入って、レベルを上げるよう迷宮に入り訓練してるから、下手をすると他校の生徒の方が危ない気がする……。


「二、三年生はまだ大丈夫ですが、聖女学園の一年生はまだレベルも低いですし、彼女達を狙われると困りますから、警備は必須です」


 流石に男子の全員がそんな理性のない猿だとは思ってないけれど、少なからず男子は下心を持ってここにくるだろうからね。


「学園長はお金を出し渋って冒険者を雇おうとしておりましたが、私が無茶振りをさせられる代わりに、強制的に却下しました。留学期間である二週間の間、生徒の護衛は聖女親衛隊を各教室に配置します」


 守るのは聖女学園の生徒よりも他校の生徒になりそうな気もするけど、居るに越したことはない。

 それにリッチの動きが活発化している今、知らない人物を大量に入れることは避けるべきだ。

 本来なら外部の生徒と先生も容易に入れるべきではないのだけれど、決まってしまったものは仕方がない。

 あまり意見をしすぎると「学園長になってから仰ってください」という切り札を出されかねないからね。


「お金を出し渋ったって……」

「親衛隊を動かすなんて、それこそお金の無駄遣いでは……?」

「駄目ですよ。あの人、護衛予算をケチって儲けようとしていたんですよ?学園生の貞操よりお金を優先するような輩には親衛隊を雇わせて破産させてやります……!」

「確かに生徒の安全を考えないのはいただけませんが、学園長を、輩呼ばわりとは……」

「そ、そこまで用心するほどに、殿方がトラウマでしたのね……」


 だから違うってば……。

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