表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
961/1282

第757話 引継

「ところでソラ様、どうしてマリエッタ先生は南の国(ソレイユ)の『聖寮院』の管理人ではなく、西の国(セイクラッド)なのでしょうか?確か小人族の里があるのはソレイユで、マリエッタ先生の故郷でもあらせられるはずですが……」


 確かに現在既に管理人を予定している三人は、聖国(ハインリヒ)の管理人ソーニャさんと北の国(フィストリア)の管理人マヤ様、そして()の国の管理人の神流ちゃん。

 マヤ様は元々フィストリア貴族、神流ちゃんも梛の国の貴族出身だし、ソーニャさんも聖国の孤児院『カエデ』で育ったから故郷といえるだろう。


「理由はいくつかあるんだけど、ひとつにはセイクラッドは今アリシア王女の件で不正取引や横領、絹などの寡占販売が発覚し、国の再編が行われていて、それに漁業の再開と平民にも絹の取引ができるようになって、まさに復興の真っ最中で人手が足りていないんだよ。そんな中で更に募集をかけるわけにもいかないので、今のところ西の国の『聖寮院』が最後に立てることになりそうだからかな」

「ですが、ソーニャさんも神流様も聖女学園のご卒業までは管理人の仕事には携われませんし、マリエッタ先生もソーニャさんと同じタイミングでお仕事に付けるのでしたら、変わらないのでは?」

「いや、流石にそれは変わるよ……。マリちゃん先生なら分かりますよね?」


 話を振られてピンときたマリちゃん先生は「むふー」と得意気な顔をして話す。

 むふーかわいい、むふー。

 エルーちゃんと手を繋ぎながら癒しのマリちゃん先生を抱っこするこの空間こそ、僕の求めていた癒しの境地なのかもしれない。


「エルーシアさんっ、ソーニャさん達学生は卒業してすぐに職に就けますがっ、既に職に就いている人はそうもいかないのですよっ……」

「あっ……引き継ぎ、ですか……?」

「うん、そうだね。仕事の引き継ぎがあるだろうからすぐには辞められないこともあると思う。それに東の国の神流ちゃんも親御さんに代理でお願いするつもりだけど、マリちゃん先生の場合はそうもいかないから、準備ができ次第西の国をお願いするつもりなんだ」

「……もしかして、南の国には既に管理人候補が?」

「うん。エルーちゃんも知ってる人だよ」


 そう言いながらワープ陣で移動したのは南の国ソレイユのクラン『教会』本部。


「しっ、師匠にっ、お姉ちゃんっ!?」

「ステラっ、久しぶりですねっ!」

「師匠、お姉ちゃんと婚約したって聞きましたよっ!」

「おめでとうございます。エルーシア様もお久しぶりです」

「ありがとうございます、エクレールさんもお久しぶりです」


 机のうえで両手を繋いでくるくる回る小人族姉妹が尊みの極み……。

 机の上ではしたないなどと言う輩が居れば、僕はそれをメッタメタにしていたところだ。


「もしかして管理人とは、ステラ様でしょうか?」

「いや、流石にクランリーダーのステラちゃんを引き抜くと南の国と『教会』の人達がが困るから流石になしかな……。本人もその気はないだろうし」

「本日はどのようなご用件で?」

「『奈落』に用があって。お話ついでに、お二人も付いてきますか?」

「「はいっ!」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ