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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第745話 登用

「エレノア様のメイドで、ございますか?」

「正確には後宮メイドでエルーシア後宮メイド長の下についていただく形になりますが、多分エレノアさん以外の婚約者は普通のメイドでも対処できると思うので、シンシアさんにはエレノアさんのスケジュール管理をして欲しいのです」


 僕が頼ったのは、北の国(フィストリア)王城。

 スカウト対象は王宮メイドのシンシアさん。

 聖女学園に通うより前はずっとシンシアさんにお世話されていたからか、エレノアさんの扱い方において右に出る人はいないはず。


「エレノアさんに引き続きで引き抜きみたいな真似をしてしまい申し訳ありません……」

「いえ、大聖女様にご恩をお返しできるのは大変嬉しい限りです。ですが……シンシアはどうしたい?」

「私は……」


 流石に強制じゃないので、本人の意思確認はして貰う。


「ふっ、悩む必要なんてないはずだろう?」

「えっ?」

「実はエレノアが婚約者になった時、付いていくか迷っていたと打ち明けられましてな」

「陛下!そのお話は内緒ですと……」

「なんだ、シンシア?命の恩人でもある天下の大聖女様に、あろうことか隠し事をするつもりだったのか?」

「へ、陛下……!そういうのはわざわざ申し上げずともよろしいのです!」


 淡々と仕事をしている姿しか見ていなかったから、恥ずかしがっているシンシアさんは新鮮だな……。


「なんだ、ボク離れできていないのはどうやらシンシアの方だったようだね」

「いや、シンシアさんがいないとろくに生活できないのはあなたでしょうが……」


 さっきサツキさんに怒られておいて、よくそんなことが言えたものだね……。


「それに、私が悩んでいるのはそちらのせいではございません」

「シンシアがいなくなったら、困るのはお母様もではございませんか」


 公務を終えたアイヴィ王女が部屋に入ってきた。


「そ、そんなことないぞ……!アイヴィ、ソラ様の御前で変なことを言うんじゃない!」

「ですが陛下はまだ私でなくとも起きるのでマシですけどね」

「みなまで言うなシンシア、似た者同士だろう」

「何を!?いつもお前より起きるの2分早いだろう?」

「起こされている時点で、どんぐりの背比べだと思いますよ……」


 しかも2分て、ほぼ変わらないじゃん……。


「ソラ様、エレノアお嬢様共々、よろしくお願い致します」

「こちらこそご迷惑をお掛けします……。それとエレノアさん、聖女や聖女院の人達に迷惑かけてしまっている以上、私にも考えがあります」

「な、なんだい……?」

「もし現状から改善が見られないようでしたら、婚約解消してシンシアさん共々王家に帰っていただきますからね」

「なっ……!?それは卑怯だろう!」

「休日は私も極力協力いたしますが、平日はお任せします。頼みましたよ、シンシアさん」

「シンシア、頼んだぞ!」

「ソラ様をソラお義姉様とお呼びできるかどうかは、シンシアにかかっていますからね!」

「お任せください、必ずや皆様の期待に応えてみせます!」

「そこはボクにプレッシャーをかけるべきじゃないのか……?」


 だってこと「普通の生活」において、あなたに信用なんて皆無でしょ……。

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