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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第728話 癖地

 そんなこんなで帰ってきた聖女院。


「ただいま戻りましたぁ……」

「おかえりなさい、ソラ様。そして数多のご婚約、おめでとうございます」

「ありがとうございます、リリエラさん。リリエラさんも弟さんが生まれたようで、おめでとうございます」

「はい。今度ご紹介いたしますわ!」

「楽しみです」

「ソラ様、良い報告と悪い報告がございますが、どちらを先にお聞きしたいでしょうか?」

「良い報告って、サツキさんがいらしたんですよね?」

「ご存じでしたか」

「エリス様帰ってきてましたからね。……先日婚約もしましたし」

「なんと!?それは、おめでとうございます!!」

「これは盛大にお祝いをしなければ……!」

「いや、いいですから……」

「では、どうして曇天なのでしょうか……?」


 エリス様が帰ってきたから、感情が天候に影響されてたの忘れてた。


「まあそれは、ちょっと喧嘩しただけです」

「大丈夫です。痴話喧嘩でございますから!」

「さ、左様でございますか」


 エルーちゃんの機転のお陰で、これ以上聞かないでくれるのは有難い。

 目の前の清楚なリリエラさんに僕がふたなりだなんて虚言を吐かなくて済むから……。


「良い報告ですが、少しだけ違います。召喚された聖女サツキ様から、ソラ様にご要望があるそうなのです」

「要望、ですか?」

「シルク様をえらくお気に召したご様子で……。彼を専属執事に指名したいと……」

「専属執事……それって、まさか……」


 直近で専属執事を持った人は梓お姉ちゃんだけ。

 そして執事にしたのは、妾にしてあんなことやこんなことをさせるため……。


「まさか、サツキさんも……ショタコン……!?」




 いてもたってもいられず、僕は悪い話を聞く前に、真相を確かめるべくジャングルの奥地……いやサツキさんの部屋を訪れた。


 いや、どちらかといえばこっちのほうが悪い話なような気がするんだけど……。


「失礼します」

「エルーシア様、ソラ様ですね。少々お待ちを」


 許可が出て中に入ると、食事どころのカウンター席のような壁掛けの机の前に一人の女性が居た。

 服装も相まって、バリキャリのOLというイメージで、セミロングヘアで……いやそんなことよりなんといっても、胸がすごく大きい。

 僕の婚約者の中で一番大きいシルヴィですら小さいと思えるほどの大きさで、流石にこれは男女問わず目が行ってしまう……。


「ソラきゅん……()()()()()()()()!わっ、しかも、私の胸見てる……!」


 あっ、他人に非難され続けてきた僕だからこそ、そういうのに気を遣うべきだったのに……。


「ぶ、不躾に見てしまってすみませんっ!……って、もしかして視聴者さん!?」

「勿論!!あなたにならいくらでも胸を見てくれて、触ってもらってもいいわ!私は下野皐(しものさつき)。サツ『キ』のKで、Kカップよ!好きに見て、触って、赤らめた顔をよく見せてね♪」


 やっぱりこの人……僕たちの敵(重度のショタコン)だっ!?

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