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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第725話 癒快

 翌日。


 エルーちゃんと涼花さんの三人の時に朝起きたら三人でキスをし合う習慣がついてしまったせいか、みんなでキスしていた。

 僕もそれに倣い、順番にキスを交わすと、最後のシルヴィの時にシルヴィの身体が光った。


「『……』」

「もしかして、エリス様?」

「『それで、話してくれるんでしょう?』」

「はい。まず最初に、僕はエルーちゃんに告白して婚約者となりました」

「『そう、やっぱりね。おめでとう、エルーシア』」

「えっ……?」


 エリス様に祝福されるとは思っていなかったのだろう。


「『初めてあなたをソラ君の専属メイドに選んだときから、私はそんな予感がしていたわ』」

「もしかしてそれって、エルーちゃんの触れると心が癒される能力に関係がありますか?」

「『なんだ、ソラ君は気付いていたのね。これは別に伝えるつもりはなかったんだけど……エルーシア、あなたの魂は私が作った水の天使エルリアの生まれ変わりなのよ』」

「えっ、えええっ!?」


 エルーちゃんが、天使の生まれ変わり……!?


「『ソラ君には過去に話したけれど、メルヴィナが天使エミュリアの子孫だって話をしたじゃない?』」

「はい。シュライヒ家のメイドであるメルヴィナさんが他人の感情を五感で知ることができる『気色(けしき)』の名残を持っているのは、それが理由だと……」

「『天使エルリアもまたただの水使いの天使ではなく、特殊な能力を使えるようにしていたのよ』」

「それが、他人の心を癒す能力……」

「『正確には違うわ。エルリアの『癒快(ゆかい)』はただ他人の心を癒すわけじゃない』」

「えっ……?まさかデメリットがあるんですか!?」

「『まぁ、デメリットではあるわね……。ソラ君とエルーシアは分かっているでしょう?』」

「……いえ、よく分かりません……」

「……?」

「『えっ、嘘でしょ……!?』」


 僕でも分かるって言ってるってことは、過去のエルーちゃんの記憶を見た僕なら気付くヒントがあるってことだよね?

 代償……つまり、僕達から負の感情を吸い取って、それが何かに変換されたってことだよね?

 エルーちゃんと会って、一番心を癒されたのは、朝から晩までお世話されてきた僕だ。

 その僕に出会う前と会ったあとで、エルーちゃんが一番変わったことといえば……。


 ん……?

 そういえば、昨日なんか似たようなことで考えていたようなことがあったような……?


『――僕と会う前は二日に一回くらいだったのに、僕と会って聖女学園に入ってからは一日に二、三回は当たり前で、多いときは十回……――』


 あっ……!?


「ま、まさか……エルーちゃんが他人より発情しやすくなったのって……!?」

「『そうよ。天使エルリアの能力は、他人の負の感情を吸収して、その分だけ発情する。つまり、吸収した負の感情の分だけ、濡れるってことよ』」


 エルーちゃんが快楽大魔王になってしまったのって、僕のせいだったの……!?

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