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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第723話 感度

 王太子派、つまり王太子妃達のご家族はアリシア王女とセルマ王妃の動きを警戒して避けていたようだけど、ティファニー妃だけはアリシア王女と昔馴染みで仲がよかったために、あまり邪険にもできなかったらしい。

 そこに漬け込まれたというわけだ。


 エルーちゃんの力のお陰で大分落ち着いたようで、あとはアール王太子の甲斐性と他の王太子妃達に任せることにした。


「もう、行ってしまわれるのですか?」

「明日ギルドに寄って、結果を聞かないと。ですから宿でもう一泊して、明日帰ります」

「でしたら、ご一泊は是非王宮でなさってください。最高級のおもてなしをさせていただきます」


 エドナさんが留めようとするなんて、珍しい。

 あと一歩で殺されるくらいだったし、その件の感謝なのかな?


「いえ、せっかくのご厚意ですけれど、実はもう既に予約しておりまして、キャンセルするのも先方に申し訳ないので……」

「あら?ですが()()()()()()()()()()()()()()()()()でしたのでは?」

「ど、どうしてそれを……!?」

「庶民の噂はすぐ貴族の耳に入るものです。あの日はソラ様のとても扇情的なお声が館内はおろか数軒先まで響き渡ったそうで、それを聞いた者達は()()()()()()と噂になっているのですよ……」

 

 昨日の今日でそんな、マイナスイオンの滝やパワースポットじゃないんだから……。

 確かにあの日は三人で両耳責めから両耳舐めというコンボ技をされたせいで過去一情けない大声が出ちゃったんだけど、まさかご近所迷惑までしていたなんて……。

 もうやだ……僕の黒歴史、どんどん増える……。


「王宮でしたら、()()()()()()()()()おりますよ」


 それ、僕達が今日もするって分かってるような言いぐさだよね。

 いやまぁ、我が家にはえっち魔人がいるから、今日もするんだけどさ。


「お、お世話になります……」


 了承した時点で、今夜のことがバレバレなのほんとうにつらい。




「『はぁっ、はぁっ……』」


 婚約者が四人に増えたことで、夜の仕事量がかなり増えた。

 いや、仕事量なんて言い方で片付けていいものか分からないけれど、回数的には後釜の涼花さんやハープちゃん、シルヴィアさんは一日に一回か、最悪三日に一回でもいいと言っているくらいの性欲で、僕も本来ならそれくらいでいいと思っている側だ。


 でも肝心のえっち魔人ことエルーちゃんは一線を画している。

 エルーちゃんの過去の記憶をもとにすると、僕と会う前は二日に一回くらいだったのに対し、僕と会って聖女学園に入ってからは一日に二、三回は当たり前で、多いときは十回もしていた。


 だからとりあえずエルーちゃんが満足するまでしてあげているんだけど、流石にエルーちゃんにだけするのでは三人に悪いので、結局みんなと一回ずつはすることになる。

 三回プラスエルーちゃんが満足するまでになるわけだけど、隣でえっちなことしていて発情しないわけもないので、残りの三人も参戦してくるし、なおかつ「一緒に」とせがまれるので、僕もそれだけ()()()()()()することになる。


 もちろん前も言った通り本番は無しなので所謂「無駄打ち」になるわけだけど、そのお陰で、光魔法の復元(リカバー)を使えば無駄打ちしたものが元の鞘に戻って復活できる。

 つまり無駄打ちしている限りは何回も出来るわけだけど、行為(フルマラソン)自体はしているため、体力はどんどんと削られる。


 そして何より恐ろしいのが、眷属憑依だ。

 神獣などの神を眷属として降ろすための神聖なるものを神()なる使い方をするなんてもはや神への冒涜なのだけれど、婚約者の希望……もといえっち魔人の()的好奇心のせいで試すことになってしまった。


 眷属憑依中は、簡潔に言えば……両性具有(ふたなり)になる。


 まあでも実のところ、僕もほんのちょっと、ほんの少しだけ興味があったのだ。

 いや、いつも女装しているから女の子の気持ちを知りたいとかそういうのではなく、僕自身が女の子の快楽の種類や作法を知ることで、女の子の悦ばせ方をもっとよく知れて、エルーちゃん達婚約者のことをもっと悦ばせることができるんじゃないかと思ったわけだ。


 でも、そんなことを考えている余裕すらなかった。


「『はぁ、はぁ、貴様ら……もっと容赦しろぉっ……!』」


 例えば今は僕に教皇龍(ハープ)ちゃんが憑依しているのだけれど、簡単に言えば性的弱点(性癖)が増える。

 僕の耳が弱いのに追加して、ハープちゃんの龍の尻尾や角とかを優しく舐められるだけで力が完全に抜けてしまう。

 その上憑依していない三人から上は両耳舐めをされながらキスをしてきて、それだけで感度三倍。

 そして下はまずハープちゃんの少し大きな胸を触られる。

 男の時は別にシャツで擦れてもなにも感じなかったのに、女の子の胸ってどうしてこんなに敏感なんだとびっくりしてしまったくらいだ。

 そのうえ、ふたなりの部分を両方責められるので、三人で上から下まで感度6倍の同時責め。


 そして極めつけに、これ、ハープちゃんと僕の感覚が共有されているんだよね。

 つまり、僕が感度6倍の同時責めを受けていると同時に、ハープちゃんもまた同じ身体で感度6倍の同時責めを受けていることになる。

 だからハープちゃんの分と合わせて僕は感度12倍の同時責めをされていた。


 一回するだけで、あり得ないほどの気持ちよさと一緒に、フルマラソン12周分の恐ろしいほどの疲労感に襲われる。


「『はぁっ、んぁっ、もう、抜ける……』あ、ちょっと……」


 実は憑依していない方の眷属にも僕の分である6倍の感度は襲ってくるので、既にシルヴィアさんも出来上がってしまっている。


「はぁ、はぁ……さ、次は私とハープ様がお耳をしますので、今度は涼花様が真ん中を」

「今度は私がソラ様とシルヴィア様をご奉仕しよう」

「ええ!?今度はシルヴィアさんに憑依するのっ?わ、わかったけど、今度は手加減してよ……『ひぁ、こら!今翼をさわさわするなぁっ!?』」


 眷属憑依と唱えた時に自分の背と共に胸がGカップくらいまでに大きくなると、そこにFカップのお胸が乗っかって重なり、それと同時に濃厚な口づけを涼花さんにされる。


「『ひぁっ……んちゅぅ!?』」


 続けて両耳にふぅーっと息をかけられ、びくびくと震えながら足の力が抜けて立てなくなると、今度はその耳を舐められ始める。

 お互いの胸が擦れ、この光景にふわふわとした感情と男の血が集まるような感覚両方がまた押し寄せて我慢の限界を迎えた時、事件が起きた。


<ひゃああっ、何これぇっ!?んああああっ!?>

「『んんんんんんっ……!えっ……あ、主っ!?』」

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