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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第694話 浜辺

「お待たせしました」


 日焼けはお肌の天敵なので、聖女結界を張っていたら時間がかかった。


「紫外線予防で使われる聖女結界って……」

「まぁ、使えるものは使わないとね。ってあれっ?増えてるし……」


 見知った人影は、人魚姫と鱗のついた人だった。


「ティスに、玄武!久しぶり」

「ワイは久しくもなんともないけどな」

「えっ、何の話?」

「毎晩うるさいのよ、あなた達。流石に覗くの辞めたわ」

「まさか、二人にも覗かれて……」


 僕のプライバシーはいずこへ……。

 もしかして加護持ちや眷属って、思っている以上に見られてる……?


<主、今更だ>

「まさか、ハープちゃんまで……!?」


 僕の腕に転移魔法陣を作って飛び出てくる。


「我々神獣や聖獣は母上のように繋がりを持つ相手のことはいつでも声を聞ける……」

「おお、教皇ちゃん!久しぶりやな!」

「話を遮るな、蛇亀!相変わらず喋ってばかりのろくでもないヤツだな」


 ハープちゃん、玄武嫌いなのかな?


「教皇龍様、水着をご用意していますので、こちらにどうぞ」

「おお!流石は主の第一(つがい)!気が利くな!」

「教皇龍様も番になられますか?」

「その話、詳しく……」


 エルーちゃん、変な勧誘しないでよ……。




「しかし、暑いですね……」

「お義母様、ルージュちゃんとかき氷買ってきました」

「わぁ、セフィー、ルージュちゃん、ありがとう!」


 暑さに氷がしみる。

 これは、ブルーハワイ味かな?

 これも聖女が絡んでそうだな……。


 ブルーハワイって定番の味だけど、具体的にどんな味かは決まってないんだよね。

 これはメロンっぽい味かな、多分。

 結局色が青ければ、ラムネ味だろうとメロン味だろうと、ブルーハワイなんだろう。

 そこの拘りがあってないような感じが前世の知識からひねり出した感じあるよね。


「お姉様は泳がれないのですか?」

「うーん……プールとか海にはあまりいい思い出ないんだよね……」

「ソラ様、泳げない?」

「カナ、ヅチ?」

「いや、人並みには泳げるはずだし、今はこのステータスだから大丈夫だろうけど……。その、昔姉に頭沈められて溺れかけたことが何回かあって……」

「「……」」

「ごめん、変な話したね。だから私はここで見てるだけで十分だよ。ほら、皆行ってきて!」

「で、では砂浜で遊びましょう?ほら、それなら皆さんで遊べますでしょう?」


 皆の優しさがありがたい。


 ビーチバレーボールと砂のお城を作るチームに分かれ、僕はお城作りだ。

 バレーやったらステータスの暴力になっちゃうからね。


「親衛隊の皆さん、それにティスと玄武、水泳競争してる……」

「涼花様、人魚相手に接戦しているの凄いですね……」

「まぁ無属性の身体強化などを応用すれば海でも早く動けるのは確かだけどね」

「すみません、お待たせしました!」


 水着姿のエルーちゃんとハープちゃんがやってきた。


「そうしているとなんか姉妹みたいだね」

「そんな、恐れ多いです……!」


 まぁ龍の尻尾とか羽とか角とか色々違うところはあるけれど。

 特にエルーちゃん。

 白いビキニは天使のごとき可愛さだ。

 いつも見ているけれど、水着姿だとまた眩しさも違ってくるものだ。


「エルーちゃん、とっても可愛い」

「ソラ様こそ、いつもの100倍輝いて見えます」


 それもうまともに見えないでしょ。


「エルーちゃんは泳ぐ?」

「私、海に来たの初めてですので、泳げるか心配で……」

「我も海は苦手だ。泳いだこともない」

「じゃあ泳ぐ練習してみる?」

「お義母様、大丈夫ですか……?」

「浅瀬で練習するだけだから大丈夫。それに、エルーちゃんもいるしね」


 例えトラウマが出てきても、エルーちゃんと手を繋いでいれば和らぐから大丈夫だろう。

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