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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第674話 報告

 これから何かと西の村に来ることも多くなりそうなので、許可をもらってワープ陣をエルーちゃんの実家に置くことにした。


「通い妻……」


 いや、だからなんで僕が妻側なのさ……。




 聖女院に戻ると、僕の部屋にはシスカさんがいた。


「おかえりなさいませ、ソラ様」

「ただいま、シスカさん」

「ソラ様、まだお仕事は禁止……」


 シスカさんの視線が下に向かっていくと、僕とエルーちゃんが繋いでいる手が視界に入ってくる。


「……なるほど。おめでとうございます、エルーシア」

「あ、ありがとうございます」

「あの……それで結納を行いたいと思っておりまして」

「お仕事を増やさないでください。ただでさえ忙しいのに……」


 相変わらず毒舌……。

 別にお仕事を「しないで」と言われたから、その抜け道のようにお仕事を「増やして」いるわけではないからね?


 ああ、でもそういえば新しい聖女さんが来るって言ってたっけ。

 聖女5人は初めてなので、聖女院の施設を増設して模様替えなどしている最中らしい。

 ついでにレストランなどの日常施設も拡張して二ヶ所になるのだそうだ。

 なんだか大学とかそんな施設に近くなってきたような気がする。


 その上目下新しいメイドさん達の試験が行われているそうで、有り体に言えば、今の聖女院は物凄く忙しい。

 僕に向かって毒を吐かれるのも、まぁ分かるのだ。


「あの、本当に忙しいなら手伝いますよ」

「駄目です。おとなしくいちゃこらしていてください」

「では、せめて結納は身内だけの小規模で……」

「駄目です。あなたは世界一幸せにならないといけません」

「うぅっ、エルーちゃん……!」


 何を言ってもシスカさんに拒絶されて、心が折られていく……。


「よしよし……シスカ様の愛情は旦那(セブル)様にしか分からない不器用な方ですから、お気になさらないのが吉ですよ」

「エルーシア、言うようになったわね……。結納の件、ルーク様にお伝えしておきます」

「ありがとうございます。じゃあ、行こっか」

「あの、どちらに?」

「婚約の報告。今度は()()に来て貰うよ」




「まあ!ソラ様!」

「あの、どうして毎回私の部屋に居るんですか、メルヴィナさんは……?」


 シュライヒ公爵の屋敷でワープ陣を置いているのが僕の部屋なので、必然的にここに来るのに僕の部屋経由になるのだけれど、何故か毎回ここにいるんだよね。


「それは、ソラ様がいらっしゃる予感がするのです!予知夢のようなものです」


 ぞくっとするからやめて。


「すごいです……!私もそんな能力身に付けたいです!」

「エルーちゃん、それただのメルヴィナさんの嘘だから」

「えっ……?」


 まったく、エルーちゃんまで僕のパンツ嗅ぎだしたらどうすんのさ。


「それで、今日は何していたんですか?今日こそ現行犯で……」

「それは勿論、パン……まあ!」


 本当に隠し持っていた僕のパンツを落として、エルーちゃんに駆け寄っていた。


「馴れ初めは!?一緒にお風呂入りましたか!?裸を見せ合いましたか!?破○のご感想は!?既に種○けまでお済みですか!?」

「いや、気が早い質問が多すぎますって」


 なんでほとんどえっちなこと関連なのさ。


「ええと、西の村でソラ様に熱烈に告白されて……お風呂で抱きついたことはございます。その時に、裸も……」

「エルーちゃん、律儀に全部答えなくていいからね!!」

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