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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第660話 外堀

「もう平気なの?」

「は、はい。すみません、ご心配かけて……」

「私達は家族みたいなものだから、心配くらいいくらでもかけておきなさい」

「あ、ありがとうございます。ですが、シルヴィアさんが……」

「シルヴィならこのくらい大丈夫よ。ね?」

「ええ、旦那様の愛だと思えば、この程度……」


 それは歪んだ愛でしょ……。


「けどソラちゃんがまさかそんなダイタンな子だとは思わなかったよ。まさか、傷を舐めるなんてね……」


 大胆なんて、真桜ちゃんには言われたくないけどね……。


「私もソラちゃんになら舐められたいかも」

「えっ……?」

「駄目よ!!」


 僕が答えを聞く前に、サクラさんが全力で真桜ちゃんを隠した。


「真桜には結婚なんてまだ早いわっ!!」

「何言ってるんですか、サクラさん……?」


 誰も結婚の話なんてしてないでしょ……。


「サクラさん、別に僕は真桜ちゃんと結婚したいとは思っていませんよ」

「でも、世界一可愛いとは思っているのでしょう?」

「当たり前じゃないですか。全国民が尊ぶべき可愛さです。いつか銅像にして各国に広めるべきです!」

「……やっぱり、あなた危険だわ……」


 いや、世界一可愛いからって結婚したいとは思ったりしないでしょう。

 可愛いぬいぐるみと結婚したりしないのと同じだよ。

 どうしてわかってもらえないかな……?


「でも、どうして舐めたりなんてしてたの?」

「だって、エリス様今いないって聞いて……」

「……ああ、シルヴィの神体のこと聞いたのね。でも、治す方法なら他にあるけれどもね」

「えっ……」


 だって、そんなことシルヴィアさん一言も……。


「シルヴィアさん……?」

「あ、あの……」

「ど、どうして言ってくれなかったんですかっ!」


 思わず傷口舐めちゃったし、恥ずかしいことしちゃったじゃん!


「その、違うのです!旦那様の貴重な魔力をお使いになられてまですることではないと申しますか……!」

「余計なお世話ですっ!治るなら教えてくださいっ!」

「すみませんでした。主の子である神獣なら神力を持っておりますので、回復は可能かと」


 聞くないなや、急いでハープちゃんを呼ぶ。


「主っ!私は主以外と番う気はないからなっ!?」

「あっ、ごめんね、ハープちゃん。よしよし……」

「何があったの?」




「娼館で召喚……ぷふっ」

「真桜、はしたないからよしなさい。でもソラちゃんも、娼館に行くくらいならもっと身近な女の子を囲いなさいよ。学園の子とか、聖女院の子とか」


 か、囲うって……。


「学園生は僕の事男だって知らないんですから、そんなことしちゃ駄目でしょう……?」

「そんなの聖女なんだから既成事実を作ってしまえばいいのよ。私も葵さんからそう教わったわ。私は絶対に告白される側が良かったから、アイリーンを使ってアレンの外堀から全部埋めて、無理やり告白させる状況を作ったのよ」

「えぇ……」


 それはアイリーン副隊長もアレンさんも可哀想だし、サクラさんが万人受けする美人だからこそ成り立つものでしょ。


「というかあの、そもそも僕、娼館に行きたくて行ったわけじゃないですからね?」

「あら、興味あったんじゃないの?」

「男ってそういうもんじゃないの?」


 ……ないわけじゃないと言いきれないのは、僕の心が弱いからなんだろうか?

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