第507話 精力
寒い冬に扉を開けっぱなしで固まらないでほしい。
でも今の僕たちはおこたが包み込んでくれるから無敵だ。
「あ、ソフィア女王、いらっしゃ~い……」
「なんです、その気の抜けた可愛らしい声は……?」
「ああ、ごめんなさい。エルーちゃんとまったりしていたんです」
「これでも私、女王なのですが……。まあ師匠と姉弟子ですし、気にしませんがって、そ、それは伝説の……!?」
そんなにその伝説有名なの……?
「ソフィア女王もいかがです?」
「ほ、本当によろしいのですか?」
「別にそんな確認することでも……」
「いえ、幼少期にサクラ様のこたつを壊してしまって……聖女様でも治せなかったんです。それでサクラ様はひどく落胆されて……」
サクラさんのこたつ壊したのあんたか。
今度プレゼントしてあげよう。
「まあこれは壊れないやつですから、安心してください」
エルーちゃんももう出来上がってしまったらしく、突然の女王様の到来に、こたつの外に出ようという気概はあったが外に出られていなかった。
「では早速……あふぅ……」
変な声出さないでよ。
「なんか、どうでもよくなってきますねぇ……」
「ですねぇ……」
「甘い!甘いです、ソラ様、エルーシアさん!」
なんかいつになくソフィアさんが張り切っている。
珍しい気がする。
「そういえば、さっき迷える子羊を救ってほしいとかなんとか……」
「そうです!ソラ様、私をお助けくださいませ!」
「……なんか助けてほしそうに感じないのですが」
あまり困ってなさそうというか。
「本当に困っているんです!ソラ様、私と一緒にルーラーオブヴァイパーを倒していただけませんか!?」
ルーラーオブヴァイパーとは、高さ5メートルもある巨大マムシだ。
この世界だとSランク相当のマムシではあるけれど……。
「え……?別に構わないですけど、そもそもそれくらいソフィア女王一人で倒せますよね?」
今のソフィア女王で倒せない相手ではないし、特に苦戦もしないはず。
「そうではありません!そもそもルーラーオブバイパーなんて何処にいるかも分からないのですよ!!」
「え、知られていないんですか……?」
なんか時々このギャップが分からなくなるなぁ。
僕の中の常識が通用しないことくらいは分かっているけど。
「というか、そんな知られていないものをどうして欲しがって……って、まさか……!?」
マムシの効能といえば、アレだ。
「そうです、巨大マムシは精力剤の元!そうそして……ふふふサンドラちゃんに食べさせて今年はしっぽり姫始めを……」
「ちょ、なんてこと話すんですか……!」




