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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第22章 相思相愛

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第506話 炬燵

 五国会議の準備は終わって、僕は朱雀寮に戻っていた。


 今聖女院は大掃除で忙しないのだが、僕がメイドさん達のお仕事を奪うわけにはいかない。

 とても忙しそうにしていたので一度は手伝うと言ったのだが、「お気持ちだけいただきますので好きなことをなさってください」と丁重に断られてしまった。


「ですから、寮の大掃除を手伝う必要もございません。ソラ様の分は私がいたしますから……」

「単に何かしていないと落ち着かないだけだよ。それに、二人でやった方が早く終わるでしょう?」


 エルーちゃんが遠慮する気持ちも分かるけれど、流石にエルーちゃんだっていつも忙しくしすぎている。

 主に僕のせいなので申し訳ない話なのだが、早く休ませてあげたいという気持ちの方が強いのでお手伝いを強行させてもらった。


 それに、僕も朱雀寮にはとてもお世話になっているので、感謝の意味を込めて綺麗にしたいのだ。


 とはいえこの世界の場合掃除関連は魔法でまとめてどうにかなる。

 光魔法の清浄が有名ではあるけれど、他の属性魔法でだって掃除できるような魔法がある。

 以前お風呂でエルーちゃんが使った……いや、思い出してないよ、何も!

 ともかく大掃除といっても、やること自体は物の整理整頓だ。


「これはこっちで、これはこっち……」


 無属性魔法の浮遊を多重無詠唱でふわりふわりと本を整頓する。


「清浄……よし、終わり!」

「お疲れさまでした」

「エルーちゃんは、皆みたいに帰省しないの?」


 今年は寮母のフローリアさんも帰省している。

 ネルちゃん達も随分前に帰っているし、僕たちくらいだ。


「私はこの間帰省しましたから。ソラ様こそ、シュライヒ家でごゆっくりなされないのですか?」

「今年はほら、あっちも忙しいから。新年にまたシェリー達を連れて挨拶しに行くけどね」


 ただでさえ忙しいのにこの間僕のことで迷惑かけたし、これ以上かけるわけにはいかない。


「じゃあ、一緒にまったりしよっか」

「はいっ!」


 真冬にまったりといえば、これだ。


「そ、それは……伝説の……!?」


 そう、こたつだ。


「なんで伝説……?」

「第58代の三島愛様がこよなく愛したという伝説が」


 それって伝説でもなんでもないよね……?


「これは人をダメにするといいながら、御自身は進んで私達の代わりにダメになられたという……」


 単にぐうたらしたかっただけじゃん。

 そんな、『まんじゅうこわい』じゃないんだから……。


「一度入ったら、二度と出られないとか……」

「まあ、あながち間違いではないけれど」


 まあ、沼ではある。


「そ、そんな……!」


 知識が片寄りすぎてて、逆に理解できていない気が。


「というか、サクラさんとかこたつ使わなかったのかな?」

「こたつはすぐ壊れてしまうそうなのです」

「え、まさかあの『ボロごたつ』のまま使ってたの……?」


 あれは最初ボロごたつとして手に入れ、使うとすぐ壊れちゃうアイテムなんだけど、ゲームではとある冒険者の依頼報酬でその修繕アイテムを手に入れられるんだよね。

 その修繕アイテムと一緒に『ボロごたつ』をクラフトしていくと、徐々に元に戻っていくというアイテムなのだ。

 つまり、その三島さんや僕くらいしかボロごたつを直した人はいなかったんだろうな……。


「大丈夫大丈夫、強い気持ちがあれば抜け出せるから」

「ソ、ソラ様と一緒なら……死なばもろとも……!」


 そんな命を賭して入るものじゃないから。


「ほら、こうやって入るんだよ。ああ、あったかい……」

「失礼します。あ……ソ、ソラ様のおみ足が……」

「あ、ごめんね。ちょっと避けるね」

「いえ、そのままで。あ、あったかぁぃです……」


 緊張していた顔が、ふにゃりとふやけて可愛くなる。


 そのままとろけてしまいそうな可愛い顔を眺めつつ、僕もふにゃりとふやけていると、外から異変がやってきた。


「ソラ様、迷える子羊をどうかお助けくださいませ!」

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