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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第22章 相思相愛

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第504話 九死

「ソラ様?」

「ひゃ、ひゃいっ!?」

「どうかしたのか?」


 涼花さんのその言葉で、今までと大きく違う点に気付く。

 なんと肩まで浸かっていたことで、まだバレていなかったのだ。


「い、いえ!突然いらしたので……」


 そのままやり過ごすか、はたまたバレるの覚悟で逃げ出すか。

 究極の二択を迫られた僕はどうにかバレない道を目指すことにした。

 信用とか信頼とかそういうことではなく、学園生にこれ以上バレるのはなんとしても避けたいからだ。


「そうか、びっくりさせてしまったみたいだ。自室でシャワーを浴びていたのだが、やはり湯船に浸かりたくなってね」


 涼花さんは軽くシャワーを浴びてからこちらに来る。

 長めにシャワーを浴びてくれれば僕が逃げ出すチャンスがあったのに、どうしてこうも運が悪いのだろう……。

 けどその一瞬の隙はありがたく、僕はアイテムボックスからバスタオルを取り出し、無詠唱で清浄(クリーン)を施してから体に巻いた。


「む?ソラ様、それはマナー違反だよ」

「タ、タオルも浴槽も清浄で綺麗にしたので、勘弁してください……」

「シエラ君の時もそうだったが、ソラ様は恥ずかしがり屋なんだな」

「そりゃあ、学園や院の人達は容姿が整いすぎていますから……」


 この世界の人たちは、顔が整っていて肌が綺麗な人が多すぎるんだよ。

 前世であれだけ見て呉れを貶されてきたのに、こんな世界に放り出されてしまっては、尚更自分の容姿に自信がもてなくなるよ。


「ソラ様だって引け目に感じるような見た目はしていないだろう?」

「それ、涼花様にだけは言われたくないですよ……」


 そう言って涼花さんの方を見ると、とても大きな胸がちらついて思わず「ひゃあ……」と呟いてしまった。

 そして見るべきではないと顔を再びそらすと、涼花さんが見えないように後ろを向いた。


「いや、本当にソラ様の肌は……」


 途中で言い淀んだ涼花様がこちらを向いていることに遅れて気付いた僕は、もう色々と遅かった。


「ソラ様、それは……!?」


 もしかして……バレた!?

 

「わ、えぇっとぉ……こ、これはその……!?」


 ……と思いちらりと股間を見るも、『オムコイケナイ』にはなっていなかった。


 涼花さんが何に気付いたのか分からず、その視線を追おうと首を捻ろうとしたとき、背中にメロンのように大きな球体が2つ押し寄せてきた。

 そしてそのまま手を回され、僕は涼花さんに抱き締められていた。


「ひ、ひああぁ……!」


 心臓の鼓動が押し寄せて止まらない感覚を覚えていると、ぽちゃり、ぽちゃりと水音がしていた。


「り、涼花さん……?」

「ソラ様……私がもっと早くにあなたに逢えていれば、この傷を付けさせずに済んだかもしれない。そう思うと、とてもやりきれないんだ」


 変なことを考えていた僕をぶん殴ってやりたい。


「昔の傷ですから、涼花さんが気にする必要はありませんよ」

「……ソラ様、私が生きている限り、あなたには傷ひとつ付けさせないと誓うよ」


 そうか、涼花さんは父親に似ているのかもしれない。

 いや、容姿でいえば天と地ほどの差があるかもしれないけど、そういうことじゃない。

 別に力があるという保証があるわけでもないけれど、彼女は全力で協力してくれることだけは分かる。

 だから彼女といれば、きっとなんとかなるだろうと思えてしまうんだ。


「それは、とても心強いですね……」


 抱き締められた暖かさに父親を重ね、僕が身を預けるとなぜかぶるると震えだした。


「す、すまない!少しのぼせてしまったから、私は先にあがることにする!」


 そのまま熟練の刀術士のごとくすり足で去っていく涼花さんを見送る。


 な、なんか知らないけど助かったぁ……!

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