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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第21章 首尾一貫

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第500話 井戸

 実は早く復帰したかったのには理由があった。


「間に合ってよかったですね」

「本当にね。みんなのお陰だよ。エルーちゃんもいつもありがとう」

「当然のことをしたまでです。さ、お着替えいたしましょう」

「う……本当にこれ着るの?」


 青いドレスを手に取ってみると、その布地の薄さが伺える。

 室内でやるとはいえ、冬にこんなんじゃ寒いよね。


「当たり前です、主役ですから。目立ってしかるべきです」

「いや、主役は僕じゃないでしょ……」


 こういうのは、むしろ僕が目立っちゃ駄目だから。




 僕がうんうんと唸っている間もエルーちゃんの手は止まらず、メイクをしてくれたり、装飾品をつけてくれる。


「エルーちゃんも呼ばれてるんでしょ?着替えなくていいの?」

「私はメイドとして呼ばれているだけですから」


 僕だけ恥ずかしいのはなんかずるい……。




「むむむ……」

「そんなにむくれて、可愛いな。どうしたんだ?」

「エレノアさんに、マヤさん。珍しい組み合わせですね」


 マヤ様にエスコートをお願いしていたんだけど、エレノアさんも一緒に居た。


「単なる井戸端会議よ」

「何を話されていたんですか?」

「蓄魔機のことさ。この間ソラ君には試作品を渡しただろう?ただソラ君に痛いところを突かれてしまったので、魔法師に直接意見を聞いてたのさ」

「井戸端会議にしては、会話が高度すぎませんか……?」

「エレノア様のような天才と話しているといい刺激になるから、ここはいい環境だわ」


 痛いところというのは、重すぎて持ち運べないことと、アイテムボックスに入れてもう一度出したときに蓄魔機の魔力がすっからかんになってしまうことだろう。

 あれはあれで別の使い道があったから、いいんだけどね。


「マヤ君と話していて思い出したが、ワープ陣やその簡易版であるワープスクロールは、魔力が移動できるだろう?つまり、空間制御系の魔法でも魔力をどうこうできるものとそうでないものがあるとボクは考えている」

「ということは、その二つのクラフト前の素材があれば研究は進みそうですか?」

「あるのかい!?」

「ええ、まぁ……」

「サクラ様や真桜様にお聞きしてもなかったのに……。今度取りに行くから、アンネ室長に渡しておいてくれたまえよ!」

「エレノアさんは参加しないんですか?」

「ああ、あれか。申し訳ないが王家の役目があってね、参加できないんだよ。まったく、こんな日くらい休ませてほしいものだがね……」


 いつも「妹に全部丸投げして聖女院に入り浸るつもりだ」とか愚痴とか言っているけれど、きちんと王家としての責務は果たしている彼女はやはり家族思いで立派な大人だ。


「じゃあまたね、ソラ君。あと、そのドレスよく似合ってるよ」


 う、恥ずかしいこと思い出させないでよ……。

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