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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第21章 首尾一貫

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第496話 切札

「さて、私達はお暇いたしますわ」

「もう、帰っちゃうの?」

「そ、そんなお可愛らしい顔をしても……だ、ダメですっ!」

「お義母様のご無事も確認できましたから。それに、私達だけじゃありませんのよ?」

「?」

「ソラ様、ハインリヒ王家より両陛下がいらしております。お通しいたしますか?」

「えっ、ちょっとまって!き、着替えるから!」


 流石に男装のままはまずい。




「師匠、お久しぶりにございます」

「ソフィアさん、サンドラさん、お久しぶりです」

「ああ、どうかそのままで。安静になさってください」

「すみません、お気遣いいただいて……」

「ふふ、師匠相手だとやはりやりにくいですね。へりくだっても返されてしまうなんて」


 会話って別にカウンターとかするものじゃないでしょ。

 まあ言動すべてが揚げ足になりかねない世界にいる貴族ならではの考えかもしれないけれど、僕はそんなこと考えてないから……。


「待ちは沢山いらっしゃるでしょうから、手短に。私達はこれです」

「わ、わわわ……!」

「セイクラッドの隠れぬいぐるみ専門店の新作、アザラシのぬいぐるみです。探すのに苦労したんですよ」

「そんなところがあるんですかっ!?」

「すごい食いつきっぷりね……」


 今度行ってみたい……!


「ありがとうございます!わあ、ふわふわぁ……」

「ふふふ、この笑顔が見れるのなら、探した甲斐がありました……」


 ぎゅっと抱きしめる僕に、みんながほっこりとした顔をしていた。


「でも、どうして私の趣味が……」

「世界中の人々が今、ソラ様の容態を心配しているのですよ。聖女院もこのままではまずいと焦って切り札を出したのだと思います。『誰でもいいからソラ様をお元気にさせろ』ということでしょう」


 本当に大事にしてしまったらしい。

 こんなしょうもないことで、現役の女王陛下まで動くなんて……。


「ですが私達としては、とても嬉しいのですよ。あまりお好きなものを公になさらないソラ様がお喜びになるものが分かったのですから」


 そうはいうけどさ……全世界の人が僕のこんな似合わない趣味を知ってるなんて、そりゃあ恥ずかしいもん……。


「師匠、私達はまだまだ未熟者。あなた様が必要ですわ」

「いきなりいなくなろうとするなんて、許さないわ……」

「ごめんなさい……」


 僕って、こんなにいろんな人に心配かけてたんだ。

 本当に、よく反省しないと……。


「では、次が控えているのでこれで」




 その後もマヤさんやエレノアさん、貴族や王家など様々な人たちが見舞いに来てくれた。

 みんなぬいぐるみを持ってきてくれて、僕はどんどんぬいぐるみに囲われ幸せな空間が出来上がっていた。


「ソラ様、最後の御方が……」

「どうぞ」

「失礼します」

「り、涼花さんまで……」

「な……!?なんだいこれは!?可愛すぎる……!」

「「!?」」


 あ、エルーちゃん達に遂にバレた……。

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