表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
381/1283

第300話 門出

「じゃあ四人の新入生とエレノア様の門出に」

「「「乾杯!」」」


 今日はジュースを囲んでパーティーだ。


「寮も大人数になり、賑やかになったね」

「私とエレノア様だけだったのに、こんなに増えて……。私は嬉しいよ……!」


 しっぽフリフリしているミア様。


「今年はめでたいことが続いてるからね。これもソラ君のおかげさ」


 チラっとこっちを見ないでよ。

 ……隠してくれる気あるの?

 

「それにしても卒業式で見た真桜様、可愛かったわ~!」

「い、いいなぁ……」

「でも遠巻きだったから……。シエラちゃんとエルーちゃんは挨拶したことあるんでしょ?」

「ええっ!?」


 ハナちゃんのいちいち驚く仕草がなんだか可愛い。


「羨ましいのです。真桜様とお会いしたときのお話、もっと聞かせてください!」

「シエラ君からは聞かない方がいいよ。どうせお手々が可愛かったとかお声が可愛かったとか、ロリコンめいた感想しか言わないだろうから」

「……」


 エレノアさん、僕でも傷つくときは傷つくんだよ?

 で、でも気持ち悪いなら言わなくてよかった……。


「エルーちゃんはどう?抱っこした?」

「いいえ。抱っこはさせていただけませんでしたが……。その……」


 僕はまさかここで、エルーちゃんからとんでもない発言がぶっ込まれるとは思っていなかった。


「真桜様からは貴重な『無詠唱魔法』をご披露いただきました」

「えっ……」


 不意打ちすぎて、みんな唖然。


 そして僕自信も唖然。




「「む、無詠唱魔法!?」」


 好奇心が驚きに勝り同時に硬直を解いたのは、僕とエレノアさんだった。


「シエラ様も、ご存じなかったのですか……?」

「そ、そんなことができるなんて、知らなかった……」


 それからのことはあまり覚えていないが、僕はエレノアさんと目配せして、二人で頷いていた。




 翌日。


「もう、起きてください。お昼過ぎちゃいますよ」


 あの目覚ましがないと、本当に起きれないんだな……。

 僕が起こすのはリリエラさんを起こしたときに不味いことだとわかったので、今回はおとなしく助っ人を呼ぶことにした。


「もう、最後までお寝坊さんなんだから……。こんなんで王家に戻して大丈夫なのかしら?」


 まあ、あのアレクシア女王も同類だからね……。

 そんなところ遺伝してほしくなかったけれど。


「ほら、起きなさい」

 

 問答無用で布団をどけると、無意識に布団を戻そうとするので、そのまま引っ張り上げてお姫様抱っこをする。


 流石長いこと寮母さんをやっているだけはある。

 僕には到底できない芸当だ……倫理的に。


「ありがとうございます、フローリアさん」

「……おあよ」


 お姫様抱っこを僕に見られるのは恥ずかしかったのか、エレノアさんは頬を赤らめていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ