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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第285話 喧嘩

「それよりソラちゃん、エリスが機能停止してたけど、何か知ってる?」

「機能停止……?」

「なんも返事がないのよ」

「あっ……」


 僕のせいだ……。


「なんかあったの?」

「すみません、多分私のせいです」

「痴話喧嘩でもしたの?」

「いえ、私が一方的に悪かっただけですから……」

「あら、珍しい。ソラちゃんが間違えるなんて」


 僕なんて今、性別からして全部間違えていると思うけど……。


「まあいいわ。それなら一緒にいきましょ。ちょうど、親友にも我が子を自慢したかったしね」


 既に親バカだ……。




 パーティーをお開きにしてサクラさんと天庭に移動する。


「だっこ、する?」

「魅力的な提案ですが、これから謝りにいくのですからだらしない顔をするのはちょっと……」

「だらしない顔をするのは前提なのね……」


 そりゃあ真桜ちゃん可愛いから……。


「私は駄目な女神……」


 天庭には、体操座りでうずくまって浮いているエリス様の姿がぽつんとあった。


「本当に、何を言ったの……?」

「……」


 僕はエリス様の前に立つ。


「ああ、ついにソラ君の幻影まで見えるように……」

「幻影じゃありません、本物ですよ」

「なまそらくん……生ソラ君っ!?」


 生って、魚じゃないんだから……。


「エリス様、昨日は本当に申し訳ありませんでした」


 僕は神様に深々と頭を下げた。


「昨日が誕生日だったことをすっかり忘れてしまっていて、エリス様にあんなこと言うなんて……」

「わ、私も配慮が足りなかったわ……。でも、嫌われた訳じゃなかったのね……」

「エリス様を嫌うだなんて、ありえませんよ。私のことを想ってくれる大切な人ですから」

「ソラ君……!改めて、お誕生日おめでとう、ソラ君」

「ありがとうございます、エリス様」

「何があったかは知らないけど、喧嘩するほど仲が良いというじゃない。お互いを想っての喧嘩ならそれはしてもいい喧嘩よ」

「サクラ……」


 サクラさんが総轄する。


「それより、私の子を連れてきたわよ」

「マオじゃない。元気そうね」


 エリス様は真桜ちゃんをしばらく見つめていた。

 これは……念話でもしてるのかな?


「あら?」

「どうしたの、エリス?」

「お腹空いたって言ってるわよ」

「そういうことは早く言ってよ!」


 そう言って哺乳瓶を取り出すかと思いきや、取り出したのは片乳……って!?

 僕は慌てて顔を覆ってよそを向く。


「ちょ、ちょっと!?私もいるんですから、いきなり出さないでくださいよ!」

「いいじゃない、減るもんじゃなし」

「それは見せる側が言うことじゃないですし、主に私の精神がすり減りますからっ!!」


 ……サクラさんまで僕を女の子扱いし出したら、誰が僕の男の部分を肯定してくれるのさ?

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