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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第252話 地下

「……らっしゃい」


 見渡す限りの人達は皆フードで顔を隠しているが、みんな体つきからして女性のようだ。

 どれほど長い間、ここにいたのだろうか。


「二人とも、これを被って」


 「隠蔽のローブ」を渡してみんなで身につける。

 獏ほどの効果はないが、認識阻害くらいはできる。


 闇商人を「患グラス」で見てみると、みんな「催婬(強)」と表示されていた。


「近いみたいだね……。ここからはエルーちゃんも危ない。バリアを貼るから、その中で動いてね」

「ここはっ……!」


 ここは人も多く、地下都市かと言うほどの大きな街になっていた。

 全員操られてしまった梛の国の女性。

 王家に聞いたところ、梛の国では数年前から国民が行方不明になる事件が増えていたそうだ。


 けど魔物がいるこの世界では行方不明になる要素など沢山ある。

 人さらいに合う、魔物にやられた、etc……。


 そのため行方不明が数年続くと、「魔物によって死亡」や「神隠しにあった」などとして処理されてしまうそうだ。

 聞いたときは「神隠しなんて……」と思ったけど、日本文化を模している梛の国ならではの考え方なのかもしれない。


 まあ目に見える神様がいるこの世界だからこそ、「神隠し」なんて考えがより身近になってしまっているのかもね……。


「こんなにも操られて……」


 何せ行方不明者が地下都市を築くほどだ。

 裏国家と言っても過言ではない。


「一人一人お救いしていきますっ!」

「ストップ」

「ふんぎゃっ!」


 急いでいて変なところを掴んでしまった……。


あにふるんでふかっ(なにするんですかっ)!」

「静かに」

「ステラ様、根本を絶たないとまた操られるだけですよ」

「そ、それは……そうですがっ……」


 正義感の強いステラちゃんだから、見たものをスルーしたくはないんだろうね。


「解除していったら、私達の居場所を喧伝しているようなものだよ。今は我慢して」

「……」


 可愛らしくむすっとなるのは、僕の琴線に触れて理性を保つのが難しくなるのでやめてほしい。


 今は隠密行動中だ。

 獏がいれば確実にバレずにインキュバスのところまで行けるんだけど、獏は今神流さん達と一緒にいる。


「それでこんな広い空間から、どこを探すんです?」

「ひとまずあのデカイ建物を目指せばいいんじゃないかな?」


 地下都市なんていうアングラを作っているなら、ボスがいる場所は周りと同じにして目立たないようにするのが基本だと思う。

 だけどなんというか……一つだけ一万人収容できそうなコンサートホールみたいなところがある。

 四天王として力の誇示のようなものがしたかったのだろうか?

 こっちは隠密で行動しているのに、向こうは呑気なものだ。


「罠の可能性は?」

「ないことはないと思う。だから、慎重に進もう」

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