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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第1章 天孫降臨
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第2話 証拠

 二人してフリーズした猫のように固まってしまった。

 ど、どうしよう!?

 思わず真実を告げてしまったが、固まった時のことは流石に考えてないぞ……。


「はっ!」


 先に我に返ったルークさん。

 ほへー、顔が整っていると、驚いていても絵になるもんだなぁ。


「し、失礼しました。ソラ様が男性……などという……悪夢を見ておりました」


 いや、勝手に現実を悪夢扱いしないでほしいんだけど……。


「いや、ですから男ですって!!」

「あ、あの……!」


 そこに突如横に控えていたメイドさんが参戦。


 はたしてメイドさんはどちらに付いてくれるだろうか?


「私も……こんな可愛らしい大聖女さまが男性だなんて……とてもとても思えませんっ……!」


 向こう側だった……。


 女性に女性らしさを認められショックを受けつつも、意見が1対2になってしまったことに気付く。


「声も可愛らしいですし、なにより見た目も……これで男性だったのなら、私……ちょっと自信なくしちゃいます……」


 確かに見た目も声も女性みたいとよく言われてきたけど、外見でそんなにわからないものかな……。

 

 とはいえこれはまずい。

 なんとかして男性だと認めて貰うには、外見ではなく内面を見て貰うしかない。


 だけど、ここは異世界らしいので、前世の『男子あるある』を話しても、わからないのではないだろうか?

 あれもしかして、僕、詰んでる……?




 いや…………"最終手段"はある……。


 こうなりゃ自棄(やけ)だ。

 半ばパニック状態の僕はその"最終手段"を強行することにした。


 ……僕は恥ずかしいので目を瞑りながら、後ろにいるメイドさんに見られないギリギリの角度で(おもむろ)にパジャマの下を少しずらし、ルークさんに向かって『男の象徴』を見せる。


 いったいなんなんだこの絵面……。


「ほっ、ほら!これが証拠です!早く見てくださいっ」

「そ、そんな!はしたないですよソラ様!!わたくしめが聖女さまの……をご覧になるなど!!!」


 一向に見てくれないルークさんの声を聞き目を開けると、頑なに紳士を貫き通し、顔をあらゆる方向へと背け目をつむるルークさん。

 優しさがかえって悪循環してるよ!!

 流石に男同士でも恥ずかしいから早く見てほしいんだけど……。

 ってこれだと露出狂の言い分をしているみたいじゃないかっ!


「まだ言いますかっ!ちょっと、こっちも恥ずかしいんですから、早く見てくだ……」


 目を開けさせようと顔をつかんだところで、()()()()()()()()()()()()()()ことに気づく。


「あっ……」


 そのままずるりとズボンがずり落ちる。


 振り返った先にあったのは、メイドさんの真っ赤な顔と事件性のある悲鳴だった――――

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