第2話 証拠
二人してフリーズした猫のように固まってしまった。
ど、どうしよう!?
思わず真実を告げてしまったが、固まった時のことは流石に考えてないぞ。
「――はっ!」
先に我に返ったルークさん。
ほへぇ……。
顔が整っていると、驚いていても絵になるもんだなぁ。
「し、失礼しました! ソラ様が男性……?などという……悪夢を見ておりました」
いや、勝手に現実を悪夢扱いしないでほしいんだけど。
「いや、ですから僕、男ですって!!」
「あ、あの……!」
そこに突如横に控えていたメイドさんが参戦。
はたしてメイドさんはどちらに付いてくれるだろうか?
「私も……こんな可愛らしい大聖女さまが男性だなんて……。とてもとても思えませんっ……!」
向こう側だった……。
女性に女性らしさを認められショックを受けつつも、意見が1対2になってしまったことに気付く。
「声も可愛らしいですし、なにより見た目も……。 これで男性だったのなら、私……ちょっと自信なくしちゃいます……」
確かに見た目も声も女性みたいとよく言われてきたけど、外見でそんなにわからないものかな……。
とはいえこれはまずい。
なんとかして男性だと認めて貰うには、外見ではなく内面を見て貰うしかない。
だけど、ここは異世界らしいので、前世の『男子あるある』を話しても、わからないのではないだろうか?
あれもしかして、僕、詰んでる……?
いや……『最終手段』はある……。
こうなりゃ自棄だ。
半ばパニック状態の僕はその『最終手段』を強行することにした。
……僕は恥ずかしいので目を瞑りながら、後ろにいるメイドさんに見られないギリギリの角度で徐にパジャマの下を少しずらし、ルークさんに向かって『男の証拠』を見せる。
いったいなんなんだこの絵面……。
「ほっ、ほら!これが証拠です! 早く見てくださいっ」
「そ、そんな! はしたないですよソラ様!! わたくしめが聖女さまの……をご覧になるなど!!!」
一向に見てくれないルークさんの声を聞き目を開けると、頑なに紳士を貫き通し、顔をあらゆる方向へと背け目をつむるルークさん。
優しさがかえって悪循環してるよ!!
流石に男同士でも恥ずかしいから早く見てほしいんだけど……。
ってこれだと露出狂の言い分をしているみたいじゃないかっ!
「まだ言いますかっ! ちょっと、こっちも恥ずかしいんですから、早く見てくだ……」
目を開けさせようと顔をつかんだところで、ずらした下を押さえる手がないことに気づく。
「あっ……」
そのままずるりとズボンがずり落ちる。
「――――っっ!!!!」
振り返った先にあったのは、メイドさんの真っ赤な顔と事件性のある悲鳴だった――――




