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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第30章 相縁機縁
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第234話 再会

「ど、どうして樹下さんがここにっ……!?」

「拙者はこの後行われる剣舞に参加する予定だったのだが……」


 僕はあの恥ずかしい出来事を知る人に会い、思わずお義父さんの後ろに隠れてしまった。


「シエラ様がこんなにも怯えるなんて……。あなた、一体何をしたのですか?」


 いけない、シェリーもセフィーも目の敵にしてしまった。


「ルシア殿にも言われたが、拙者は相当嫌われているようだな……」

「それは……」

「だが、せめて感謝はさせてはくれぬか?拙者達は貴殿のおかげで無事雪山から降りることができた」


 ……達、ということは……。


 予想通り、あの時の雪山で怪我を負っていた女性がいた。

 あの時は暗くてわからなかったけど、獣人さんだったようだ。


「Aランク冒険者、弓使いのケイリーだ。シエラ殿、あの時は助けていただき、本当にありがとう」

「そんな、私は服と食事を分けただけですから……。それに治したのはステラちゃんですし」

「ふっ、『乙女の秘密』……噂通りの御方のようだな」


 何でその二つ名が広まっているのか問いただしたいんだけれども……。


 笑みを浮かべたケイリーさんは何故か残念そうにしていた。

 僕に恨みでもあるのかな?

 だがその答えはすぐにわかった。


「Sランク冒険者、樹下()()()と申す」

「ちょっと待ってほしい」


 何かに気づいたお義父さんが割り込む。


「東の国で下の名を名乗ることは婚約者以上の関係を望むことを意味する筈だが、どういうことだい?」

「えっ……」


 そういえば、冒険者クエストの依頼イベント関連でその手のローカルルールの歴史に触れていたことがあったな……。

 

 あれ?というか、もしかして今僕……婚約を申し込まれている!?


「ああ、シエラ・シュライヒ殿に正式に婚約を申し込みたい」

「っ!?」


 ど、どうしよう……。


 だが僕よりも暗い顔をしている人がいた。

 ケイリーさんだ。


「と、思っていたのだが……やめた」

「「えっ……?」」


 僕の声がケイリーさんとハモる。


「貴殿に再び会うまでは、何がなんでも……と思っていた。しかし、何も嫌われてまで申し込むつもりはない」

「だが樹下殿は……」

「いいんだ、ケイリー殿。だがせっかくこうして再び相見えたのだ。叶うのなら、一つだけ望みを申してもよろしいか?」

「……私に出来ることでしたら」


 何を言われるか構えていたが、樹下さんが自身の柄に触れたときに、大体何を言ってくるのか察してしまった。


「シエラ殿に初めて会った時、Sランク冒険者で刀を持っていただろう。拙者とひとつ、お手会わせいただけぬか?」

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