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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第21章 挙棋不定
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第160話 即死

 解散後、エルーちゃんに適当に理由をつけて先にかえってもらい、マヤ様のお家に向かう。


「ねぇシエラ、本当にうちに来るの?」

「はい。こればかりは早く解決しないと大変なことになってしまいますから……」


 リッチは呪いで奪った魔力を自分の力に変える能力がある。


 魔力を蓄えてしまえば大変なことになる。

 これ以上被害を増やさないためにも、行く必要はある。


「でも、先生とかを呼んだ方が……」

「……いやリッチの場合、逆に大人数で相手にする方が危険です」

「そうなの?」

「はい。リッチは単体の即死魔法を持っています。リッチのレベル以下の人がリッチの即死魔法を放てば、50パーセントの確率で死んでしまいます」

「即死……」

「リッチはレベル80。ですのでそれより低いレベルの人が参加しても、私が守りきれないです。本当はマヤ様ですら行かせたくないんですから」


 裏ボスのように確定即死を全体に放ってこない分楽ではあるけれど、それでも可能性は低くするにこしたことはない。


 現状80レベルなんて見たことがない。

 一番育てているエルーちゃんでもまだ達していないし、戦っていてカンストユーザーであると感じた相手は今までいなかった。

 聖女はカンストしているはずだから、サクラさんと僕くらいしかいないんじゃないかな?


 今回はマヤ様のお家とミーちゃんという猫のことを知らないから仕方なくマヤ様を連れていっているが、本来ならそんな危険な場所へ連れていきたくはない。


「シエラは、どうしてそんなにリッチのことに詳しいの?まるで戦ったことがあるみたい」


 し、しまった……。


「わ、私は師匠から聞いたことがあるだけですから……」


 困ったらソラのせいにしようとすることが多くなってきたな………。

 責任を取るのも自分だから、気が楽なことは確かだ。

 でもそれって問題を後回しにしているだけなんだよね……。

 嘘つきが加速しているから、余計な嘘はつかないようにしないといけない。


「なるほど、大聖女様……。シエラはレベル80より上なの?」


 うっ……。

 マヤ様に危険を認知してもらうためにレベルのお話をしたけど、ちょっと濁せばよかったかも……。


「そ、そうですね……」

「へぇ……」


 ちょっと誤魔化せているか不安になってきた……。




 マヤ様のお家に着き、少し緊張しながら中に入る。

 他人のお家、というか女性のお家にお邪魔するのは涼花様以来な気がする。

 まああの時はそれどころじゃなかったからなぁ……。


 荷物を置いて両手に杖を持ちリビングに向かうと、カタカタカタと鳴り響く音と共にそれはいた。


「……えっ」

「遅かったみたいですね……」


 魔力を十分に蓄えたリッチは、その持て余した魔力をどうするのか?

 その答えは簡単だ。


「カタカタ……」

「カタカタ……」


 リビングのど真ん中にいたリッチは、二体になっていた。

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