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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第16章 怨望隠伏
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第120話 真相

 謁見の間に入る黒髪ロングの人物。

 あれがリタ・フィストリア。

 アレクシア女王の兄の嫁……。


 メイドさんがドア前で待っていると、リタさんが玉座の前にやってくる。


「やっと、私の時代がやってくるのね……。ここまで長かったわ……」


 やはり、リタさんが政権を牛耳ろうとしている話は本当なのだろう。


「思えば、エレノアが私の子として産まれた頃から私の計画は始まった……」

「っ!?」


 やっぱり、エレノア様はここにいる……!


 けど、事前に聞いていた世間の情報とは随分と齟齬があるようだ。


 エレノア様は公爵家ではなく女王の姪だった……。

 リタさんと女王の兄との間に産まれた子供ということか。


 だがエレノア様が王族だったとして、毎年行幸をしていたサクラさんが会っているのなら、その顔と名前を知らないわけがない。

 それなのにエレノア様のことを王族とすら知らなかったということは、リタさん、いや王家が徹底して隠していたということだ。


 エレノア様が王族の隠し子なんて……。

 でも、どうして隠されたんだろう?

 正直、色々な凄いことが起きていて脳内処理が追い付いていない。

 

 


 エレノア様が王族であるならば、この継承者争いに参加する資格は十分にある。

 万が一さらわれたのではなく、自分の意思で次期女王として太平の世を築くというのであれば、僕がすべきことは邪魔なんかではなく応援すべきだろう。


 ……まあとは考えたけど、さすがにこの人(リタさん)を見る限り、そんな状況とは思えないよね……。


「シンシア、エレノアの監視を強化しておきなさい」

「承知いたしました」


 メイドさんがそう答えると、礼をして謁見の間を去ろうとする。


 エレノア様に会うチャンスだ。


 僕はメイドさんのあとを追った。




「エレノア様、シンシアでございます」

「……どうぞ」


 えっ……今なんて言った……!?




 ……()()()

 



「失礼いたします」


 大きな扉を開くメイドさんにあわせて僕も侵入する。


 暗がりの中、いたのはエレノア様と瓜二つの人だ。


「シンシア、()()()()()()()()?」


 いや、瓜二つではなく恐らく声からしても本人なんだけど、その言葉遣いのせいで確証が持てずにいた。


 エレノア様が、こんな貴族みたいな言葉遣いができるなんて……。

 自分で言っていて相当失礼なことだとは自覚しているけど、それくらい衝撃的な出来事が起きている。


「リタ様から監視を任されましたゆえ」

「……おちおち寝てもいられないとはね……」

「お眠りになられても大丈夫ですよ。明日の夜には、あなた様は女王陛下になられておられるのですから」


 パーティは明日!?

 予想以上に時間が残っていなかったようだ。

 急いでおいてよかった……。


「……そうですか」

「では、私は外におりますので。ゆっくりと、おやすみくださいませ」

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