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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第995話 文句

「涼花さん、待ってて!僕達が代わりにエリス様に文句言ってくるから!」

「いや、私は別にいいのだが……」


 大方天庭にいると思い飛ぶと、天庭には誰もいなかった。


<シルヴィ、今エリス様どこにいる?>

<だ、旦那様っ!?>

<答えて>

<お、怒っていらっしゃいますか?>


 ちょっと淡々としすぎていたか。

 シルヴィに八つ当たりをするのは間違ってる。


<ごめんね。それで、居場所分かる?>

<聖墓にいらしてください。旦那様とエルーシア、それにメルヴィナにもご助力いただきたいのです>

<聖墓?>


 「聖墓で助力?」という当たり前の疑問が浮かび、二人して首をゆっくりとかしげていた。




 歴代聖女の墓・聖墓を訪れると、女神様はシルヴィと一緒にいた。

 シルヴィは手を合わせていた。

 僕もお祖母ちゃんと梓お姉ちゃんに手を合わせる。


『そう、分かったわ……じゃあ、準備するわね』

「エリス様っ!」

『あら、ソラ君!どうしたの?』


 僕との温度差に風邪を引いてしまいそうなほど元気そうだ。


「エルーちゃんと涼花さんにアビスさんを妻にするよう説得させたでしょ?」

『あ、ああ。あの女はどうなったの?』

「妻に迎えることになりました」

『そう……よかったわね』

「やっぱり……!エリス様、自分からお願いしたくなくて、エルーちゃんと涼花さんを頼ったんでしょう!?」

『そんなつもりはなかったわよ……。それに別に誰が唆そうと結局ソラ君が答えを出すのだから同じことでしょう?』

「そのせいでエルーちゃんと涼花さんと三日間口聞かなくなったんですよ?」

『ええっ!?どうしてそんなことに……』

「エリス様のせいですっ!それなのにエリス様は何にも言ってこないし、悪くない二人に謝らせて、何がしたいんですかっ!!」

「ご、誤解です、旦那様!!主は結婚式の準備で手が離せなかったのです」

「えっ、結婚式の準備……?」


 招待状も送ったし、ドレスも人数分用意した。

 何か終わってないこと、まだあったっけ?


『そうよ。神体が戻って、やっとこの身体が馴染んできたから出来ることがあってね♪それに最近魔族からの信仰力が凄くてね。きっとリョウカのおかげね』


 『魔法』が魔力を使うのなら、神の御業(みわざ)である『神法』は神力を使う。

 魔法はこの世界に大気中に含まれる魔素を取り込んで自然回復することができるが、神力はどうやって回復するのかというと、それは女神様への信仰心だ。

 人々がたくさん祈ることで神力が溜まり、僕達天使や女神エリス様は奇跡を起こすことができる。


『手始めに「――――」、やろうと思うんだけど』

「えっ……えええええっ!?!?!?」


 何それ……!?


「そんなことができるようになったんですかっ!?」


 嘘っ……それじゃあ、お祖母ちゃんが……!

 

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