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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第979話 至上

「そうなんだよ。僕と子作りできるのは実質ソラしかいないのに、魔帝国の民達である魔族がそれを許してくれないんだ。今回の件だってほとんどの民は僕の言うことに従ってくれるけど、先帝のせいで反発している勢力もいるんだよ」

「私だって本来陛下に異を唱えるつもりはございませんが、こればかりは認めたくありません。陛下が劣等種である人間に嫁ぐなど、あり得ませんから……」


 要するに度重なる邪神の『教育』のせいですべての人種族は魔族に舐められていて、そのせいで今回聖国のパーティーを利用してテロを起こすようなバカな真似をする魔族が出てきた。

 だからそれを解消するには人間代表である僕が魔族代表である魔帝アビスを衆人の前で叩きのめせばいいってことらしい。


「だから、闘技場でソラが僕をボコボコにすれば分かりやすいでしょ?」


 この魔帝国にもエリス様がチュートリアル闘技場(殺せない領域)を作ったみたいで、魔帝(アビスさん)が主導でその管理運営を行っている。

 戦闘民族の多い魔帝国ではこれが大人気で、実力至上主義なとこもあり、ある程度まで勝ち上がれば要職に着かせてもらえるからか毎日沢山の魔族が対戦をしている。

 それを観戦しにくる客からは売店や賭け事を大々的に売って稼いでいるらしく、数ヶ月のうちに既に魔帝国の観光名所となっているらしい。

 その大人気の闘技場では魔帝であるアビスさんも普通に参加して無敗伝説を築き上げている。

 一人だけステータス1000超えだしレベル200だし、弱いものいじめともいえるんだけど……魔族としては強い人が至上だから、それでいいのだろう。


「でもそんなことして、魔族の皆さんから『ふさわしい』って言われるようになったら、もう私逃げ道ないんだけど……」

「逃げたいの?僕とツガイになるの、そんな嫌?」

「い、いや……私の意思じゃなくてさ。妻のみんなが納得するかどうかであって……」

「今セインの妻グループに確認したが、全員OKだって帰ってきたよ」


 涼花さんまでっ!?

 僕に味方はいないの……?


「そう、ほら……エリス様とか!」

『わ、私はその……まだ受け入れられないだけよ。何万年と体を乗っ取られた邪神の娘なのよ?いくら子に罪はないと知っていても、なかなか赦せるものじゃないのよ……』

「ほ、ほらっ!」

「ソラ様、受け入れない理由作りをしようとしていませんか?」

「嫁の粗探しをする姑じゃないんだから……」

「うっ……だ、だってぇ……もう身体足りないし、持たないんだもん……!」


 もとの姿に戻ったからなのか、心まで幼くなってしまったようだ。

 エルーちゃんによしよしと撫でられると、やがて恥ずかしさが勝りこほんと咳払いをする。


「それにその試合、負けたら人間は魔族に舐められたままだけど、もし私が勝っても私はもう人間じゃないから意味ないんじゃ……」

「む……それを言うと確かに……?」

「ではその試合、私に任せてくれないか?」


 声をあげたのは、涼花さんだった。

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