表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
1236/1282

第974話 刺激

「私たちもあんな素敵な結婚式にしたいね」

「ん。ソラ様、期待してる」

「ふふ、ブーケトス、ソラ様が受け取りましたからね。きっと素敵なものになりますよ」


 やっぱあれ、絶対僕を狙ってたよね?

 ブーケトスって普通女性が受け取るものじゃないの……?


「幸せって意図的に押し付けて得られるもんじゃないでしょ……。と、ところでさ、その……聞いていいのか分からないんだけど……」

「何だい?」

「これがあの素敵な結婚式の次の日にすることなの……?」


 今日はエルーちゃんの誕生日。

 既に聖女院のみんなでお祝いもしたし、プレゼントも渡した。


 本来ならお祝いのために空けた一日、その日一日がエルーちゃんにとって幸せであれるようにデートをする予定だった。

 でもそう提案したら、違うご褒美がほしいと彼女の方から提案してきたのだ。


「まぁ、エルー君らしいといえば……らしいのではないか?」

「ソラ様よく言ってる。えっち魔人の所業」


 所業て……。


 甘い声が奥の部屋から聞こえてくる中、僕は待ち行列の最後尾にいた。

 奥の部屋にいるのはエルーちゃんと僕の婚約者のペア。

 たぶん今はすごい声が響いているから、忍ちゃん辺りだろうか。


 そしてエルーちゃんの部屋に押し寄せるのは僕の妻達。

 簡単に説明すると、僕の妻達をエルーちゃんは()っては投げ、契っては投げしているのだ。

 ちぎるの字が違うような気がするけれど、これで合っている。


 エルーちゃんが既に相手をした妻は腰がやられていてろくに立てていなかった。

 エルーちゃんは何がすごいかというと、水の無詠唱魔法を駆使した全力奉仕だ。

 これは多部位を一度に攻められるというだけでなく、無害な水であるというのも大きい。

 僕も憑依したときにくらったことがあるが、洗濯機の要領で掻き回されるのが一番効く。

 その上スライムのように柔らかいものを作り出すことが出来るため、その人それぞれの肌触りの好みにあわせた攻撃をしてくるのだ。


『あひぇえぇ……』

「エリス様でも堪えられないのか……」


 女神様、とてもじゃないけど見せられない顔してるよ。


「時間。いってくる」


 それは行ってくるなのか逝ってくるなのか。

 いつの間にかみんな死屍累々となっており、僕の前にいたソーニャさんがエルーちゃんの部屋に入っていった。

 もうフードファイターの域だよ。


 妻達同士、普通は衝突することも多いと思っていたのだが、そうならないのには彼女達が素敵な人達だというのもそうだが、ひとえにエルーちゃんの功績が大きいのかもしれない。

 僕の方針として妻に迎える人はエルーちゃんと仲良くしてもらうことを事前に盟約してもらっている。


 でもエルーちゃんはそのお世話癖から僕だけでなく妻達もお世話しているし、もはや彼女達は僕の妻でもあるが、エルーちゃんの妻でもあると言っていいだろう。

 なんというか、妻同士でこんなことするくらいには仲がいいのだ。


「はぁっ、はぁっ……ソラ様、助け……」


 耳がへたれて動けないでいるソーニャさんを侍女が運んでいくと、エルーちゃんはいつでも来てくださいとでも言うかのように招き入れた。


「はぁっ、はぁぁ……お待ちしておりました、涼花様、ソラ様!」


 妻達全員で何時間と焦らし、完全に出来上がったエルーちゃんと対峙する。

 こんな日になんでこんな耐久みたいなことしてるんだよと思うかもしれないが、僕にもよくは分からない。


 まぁでも本人が望んだんだから、きっとえっち魔人にとってもきっとご褒美なのだろう。

 妻達にとっても日頃からお世話になっているし、「誕生日くらいは」なんて思っているのかもしれない。


「その……今日はお二人から攻められたいです。そして最後には……」


 お互いに弄りあうも、奥の刺激が足りないとでも言うように。

 あんなにしたあとにそんな可愛いおねだりができるのかと感心してしまった。


「そういう要望は誕生日じゃなくても聞くのに……」

「うふふ、誕生日だからこそ特別でいいのではありませんか……♥️今日は私の誕生日、ですから……あっ」

「それもそうだね」


 「「誕生日、おめでとう」」と言うと、涼花さんと二人で右と左の頬に口づけをする。

 夜はまだ始まったばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ