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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第950話 乱暴

「ただいま」

「おかえりなさいませ、ソラ様。いつもの『私の』ミルクでございま……」

「相変わらず元気だね、メルヴィナさんは」


 いつもの逆セクハラを受けたところで、メルヴィナお姉ちゃんは固まってしまった。


「どうしたの?」

「ソ、ソラ様が、色っぽく……っ!?」


 お、メルヴィナお姉ちゃんが口数が少なくなるのは珍しい。

 ここは僕の憧れの涼花さんの真似をして、少しからかってみようか。


「おや、麗しきメイドのご夫人。私のことはどうかカエルムと呼んでほしい」


 メルヴィナさん大好き。


「メルヴィナさん愛してる」

「!?!?!?」


 きっと無意識に心も読んでいるだろうから、こうやって心のなかでも実際にも愛を囁く。

 心の中と耳で四次元音響を作り出すと、立体音響の中で手を繋いで最後には耳たぶを唇でやさしく摘まんだ。


「あひぃっ!?お、お触りNGでございますぅんっ!」


 いつもやられっぱなしだから、なんだか愉しくなってきた。


「くっ……まさかこの私が、同い年形勢逆転鬼畜眼鏡シチュに萌えるなんて……!」


 いや、今の一瞬でそんな詳細な妄想する時間なんてあった……?

 でも、望んでいるのならやって上げた方がいいのかな?


「乱暴にお尻を叩かれて、後ろから突っ込まれ、そのまま無責任にされるところまで……で、ございます」


 どうして僕の周りの人たちは僕に無責任さを求めるのだろうか。

 この世界の人たちは乱暴なのが好きな風習でもあるの……?


「あっ……おかえり、セフィー」


 すると今日の業務を終えた妻達が続々と後宮に戻ってくる。


「お、お義母様が、お義父様に……!?」

「いつも父親のつもりではあるんだけどね……」


 なんかみんなして僕を見た後、絶対に一回苦しそうな顔を挟んでからただいまと挨拶をして来る。


『やっぱり、解釈違いよね』

「格好よくて素敵ではあるのですが……」

「鼻につくとか、そういう感じ?」


 顔は酷くないと思うんだけど……まさか、残念なタイプなのかな?


「いえ、そうではなく……」

『ソラ君が声変わりしないように、男性ホルモンの分泌を押さえたから』

「なんと!それは英断でございます!」

「エリス様は民のことをよく知っておられますね」

『あったり前でしょ!私が何年間ソラ君のことを見ていたと思ってるの?』


 今、凄い酷いこと言わなかった?

 僕の声変わりが来なかったのってエリス様のせいなの……?


「ひどいな……」

「「っ!!」」


 集団でゾクゾクしてるんじゃないよ、全く。

 みんな絶対僕が不憫な方が好きでしょ……。

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