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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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閑話249 調味料

【エリス視点】

<――久しぶりのお告げタイムなんだけど……>

<ちょっと、桜ちゃん!?セインター始める前にお告げ始めないで!!>

<いいじゃない、そんなの後で……>

<ダメです!リアルタイム配信が最近のトレンドなんですから!>

<一人でも多くの人に届けるんだから、ママは言う通りにして!>

<ええ……>


 なんか締まらないわね……。


<ん゛ん゛!ええと、知っての通り、私達エリス軍は邪神に勝利したわ>

<でも、ソラちゃんとエルーシアちゃんが犠牲になってしまった。エルーシアちゃんは元々水の聖女の素質があって大天使になった。対して光の聖女としての素質をエリスさんから貸し与えられたソラちゃんは、これから大天使になる施術を行うことになったのよ>

<ソラちゃんの大天使作戦には女神の力が必要。それはエリスや私達聖女へのみんなの祈りが必要なの>

<お願いします。私の……いえ、皆さんの天先輩を助けるために祈りを捧げてください――>


 ソラ君、聞いているかしら?

 サクラ、マオ、リン、サツキ。

 ソラ君以外の聖女みんなが、ソラ君のことを助けるために民の協力をお願いしているこの光景を。


 聖女同士折が合わないことは過去に何度もあった。

 まあ100人といれば、一人くらいそりがあわない存在くらいいる。

 彼女達は一人一人が味の濃い醤油のようなものだから。


 同じ男を好きになるだのなんて時には昼ドラ展開にならないか心配だった。

 実際には聖女同士お互いに年が離れていたから、寡夫となった男に婚約するとお互いに協定を結んだらしい。

 

 でもそんな濃い調味料のような四人が一堂に会し、こうして力をあわせている。


 そして民の祈りが、私達へと届く。


「すごい、これが……女神様へのご信仰……」

「力が溢れるようです」


 身体を取り戻して出来ることも増えてきたが、今までで一番調子が良い。


『シルヴィ、エルー、メルヴィナ。これから行うのは人間細胞一つ一つを神体細胞に、ソラ君の遺伝子を残したまま変換する作業よ。絶対に失敗できないわ』

「「「はいっ!!」」」

『シルヴィは人間細胞の解離を光魔法の回復によって阻止しなさい』

「はっ!」

『エルー、この作業はソラ君の身体にとてつもない痛みを与えるわ。だからあなたはソラ君に寄り添って、和らげることが仕事よ』

「お任せください……!」

『そしてメルヴィナ、あなたは天使になったその力でソラ君の心が』

「はい。ソラ様の記憶は私の命にかけ、()()()()()()()()()()()!」


 三柱の天使がソラ君を包み込み、私は施術を開始した。

 大丈夫、民達にもらった神力は沢山ある。

 民が愛する貴方を、私が愛する貴方を、絶対に失わせたりしないわ――




「――ええと、その……あなたはどなたですか?」


 そして私の施術は、見事に失敗した。

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