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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第918話 引導

 パンと思い切り両手を合わせ、エリス様は詠唱を始めた。


 最上級の上の、神話魔法。


「『『『<――劫火は万象を灰燼と化し、淵源の清瀧が輪廻の理を紡ぎ、雷霆の一閃が道を示す――>』』』」

『何よ、この魔法っ――』


 左手小指から順に魔力が属性の色に光り出す。

 左手小指に火、薬指に水、中指に雷。


「『『『<――大地の重みは邪を縛り、緑の息吹きが暴虐を砕き、無の静寂が終焉をもたらす――>』』』」


 人差し指に土、親指に風。

 そして右手に移り、今度は逆に親指から無の透明な魔力が宿る。


「『『『<――深淵は邪悪を飲み、聖光が秩序を紡ぎ、神の威光が万物を統べる――>』』』」


 右手の人差し指に闇、中指に光、そして薬指に新たに得た神の力


「『『『<――(ここの)つの(ことわり)が交わりし時、今ここに、天地開闢(てんちかいびゃく)の煌めきを再現せし、真なる創世の(わざ)とならん!――>』』』」


 そして最後の小指で、そのすべての魔力をうまく混ぜ合わせる。


「綺麗……」

「素晴らしい……」


 螺旋状の魔力が虹の色を作り上げ、混ざりあうと、まるで夜の噴水のイルミネーションを真横にしているような、そんなカラフルで幻想的な空間がそこには広がっていた。


 思わず凛ちゃんや鳳凰が声を漏らすほどに、この光景が美しいことを示していた。


 そしてもうこの神話魔法の発動を止められる者は、誰一人としていなかった。


「『『『<――創世の煌めき(ジェネシス・ノヴァ)――>』』』」

『私はお前達を許さない。絶対に呪い殺してやるわ、首を洗って待っていなさい』


 アハハ、アハハハと狂ったような姉の声が響き渡り、僕達の肌を刺激する。


「『『『<もうソラ君を殺すことなんて、この世界の誰にもできないわよ。ざまあみなさい、セイラ――>』』』」


 神の力で現れた球体が放たれると姉のからだの中に入っていき、そのまま球体が10メートルほどの大きさの球体になった。

 この神属性の球体が僕達のいる空間と隔絶し、その身を削り切るまですべての属性で永遠に魔法で切り刻まれていく。


 元から聞こえていなかったけれど、もう今は姉の声すら聞こえてこない。




 一時間後、球体はまるで風船の中の空気が急に全て抜けたかのようにきゅっと小さくなり、消えた。

 そしてそれと同時に鑑定から姉のステータスが表示されなくなった。


 そしてドロップアイテム『絶縁の塊』が落ちたことで、邪神メフィストが消滅したことも確認できた。


 長く険しい道のりを経て、女神陣営は邪神との戦争に勝利した。


 そして僕達はついに、あの姉に勝ったんだ――

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