表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
1161/1282

第915話 属性

 でも、どうして聖女になってるんだろう?


<あら、元からシルヴィも聖女よ?あれは神話戦争の時代に死んだこの世界のハイエルフの魂を記憶を消して蘇らせた。その時に人間相手に無理やり神の器を用意すると記憶が消えることを知ったのよ>

<では逆に、シルヴィはどうしてこの世界で聖女と呼ばれていないんですか?>

<民は光の聖女だけに対して民は聖女と呼ぶけれど、私はとくに区別してはいないわ。まだシルヴィを民に見せていなかった時のことだけれど、私が加護だけを与えた存在を『神獣』、加護とスキルの両方を与えたカエデやエイミーを『聖女』と民が呼び分けていたのを見てその通りに定義付けただけで、私がそう呼び始めたわけじゃないし。シルヴィは聖女と定義した後に紹介したら民から『大天使』と呼ばれるようになっただけよ>


 スキル……ってああ、アイテムボックスのことか!

 エルーちゃんがどこから神薬を取り出したのかと思っていたけど、アイテムボックスからだったんだ。

 そういえばシルヴィも当たり前のようにアイテムボックス使えるけど、まさかそれが聖女の条件だったなんて。


 天使の羽や輪っかが付くのは神体を持つことと特別なスキルを持つことが条件なのかもしれない。

 エルーちゃんもとい天使エルリアは触れた相手の心を癒す『癒快』のスキルを持っているし、シルヴィは『鑑定』を持っている。

 神獣にはそのスキルがないから、きっとそういうことだろう。


 まぁでも人間からしたら翼が生えて輪っかがあるなら『天使』って呼びたくなるよね。

 いや、天使って言葉自体も、そもそも地球の言葉も、もとはといえば聖女が伝えたものでないと辻褄が合わない。

 つまり、それができるのは初めに地球の言葉を民に教えた初代聖女(お祖母ちゃん)に違いない。


<察しが良いわね、流石主席>


 心の中を勝手に読んでイヤミを言うなんて、えっちですよ、エリス様。


<そ、そんなこと……ないわよっ!>

<ふふっ、お二人はいつも心の中でこのような掛け合いをなさっていらしたのですね……>


 しまった、そういえばシルヴィも念話できたし、もうエルーちゃんにもできるのか。


<ええとそれより、聖女には属性があるんですか?>

<ええ。シルヴィは雷の聖女、エルーは水の聖女になるわね。たまたまカエデが光属性を望んだから代々地球から転生してきた友人達を光の聖女にしただけで、本来の力さえ取り戻せれば別の属性でも聖女は作れたのよ>


 じゃあ、もしエリス様が神体を取り戻していなければ、エルーちゃんは水の聖女になっていなかったのか。

 色々とギリギリだったんだね、僕。




『っ、お前が人間じゃなくなったのなら、ソラの一番は橘涼花、お前になったということよ。なら、今度はお前を――』

「無駄だよ。エルー君がいる以上、私はソラちゃんの一番にはなれない。私は一生片想いをするって覚悟くらいしているさ」


 もう一度姉に対し、涼花さんが清々しくもそう言い切った。

 エルーちゃんが『完成された可憐さ』だとするなら、涼花さんは『今なお成長する美貌』。

 涼花様が日に日に魅力的になっていくのは、僕への片想いを募らせ、一番であるエルーちゃんに追い付こうとしてくれている努力の結果なのだと僕は思う。

 まぁ僕はもう片想いだなんて思っていないけど、どうしたってエルーちゃんが一番なことには変わりはない。


「もっとも、次があればの話だがね。私が次の魔法を発動させるわけがないだろう?」

「私だって……今度こそ、護りますっ!」

「セイラ、観念しなよ」

『全く、どいつもこいつも……!!』

『セイラ様、あなたは喧嘩を売る相手を間違えたのです。エリス様!』

<いくわよ!>


 今のエルーちゃんは、シルヴィと同じ権限を持っている。

 そしてシルヴィと同じであるのなら、その身に()()()()()()こともできるということになる。


『――降神憑依――』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ