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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第894話 凹凸

「一番都合がいい?どういうことだ?」

「『迷路の試練』は唯一ステージに()()()()()、クリアした()には()()()()ボス部屋が()()されています」

「えっ、ちょっと待ってください!」

「どうしたの、凛ちゃん?」

「そ、そうだよ!そ、その言い分だと、ソラは『迷路の試練』をクリアしたことがあるってことのように聞こえるんだけど……?」


 アビスさんと凛ちゃんが僕の袖を引っ張る。

 なんだかさっきから意見が合ってて仲良いな、この二人……。


「えっ、そりゃあ私が何千回邪神を倒してきたと思ってるの?」

「逆ギレしないでくださいよ」

「いや、別に逆ギレじゃないよ……。この迷路だって全部攻略してるし、どこに何があるのかも全部把握してるよ」

「でも迷路って毎回道順がランダム生成されるんじゃないんですか?私、記憶力は知っての通り悪い方ですけど……その、始めのチャレンジで一度道順を暗記しようとしたけど、うまくいかなかった覚えはありますよ」


 ああ、迷路の種類の話か。


「迷路は20種類しかないよ」

「20って……それでも多いですよ」

「それでも20個は全部覚えているんでしょ?」

「もちろん!こうやって8回の曲がり角の形状を一度見てからスタート地点に戻ることで、20個の迷路の中から特定できるようになるんだよ。どの迷路かを特定できたら、その迷路の最短ルートは暗記しているからあとは迷わず進むだけだよ」

「コンプ勢こっわ……。なんかあれみたいですね。ロボットカーが最短経路を探していかに早くゴールにたどり着けるか競うやつ……」


 マイクロマウスのことを言いたいのかな?

 小さい頃にお父さんが見るのにハマっていて、一緒に見にいったことがあったような。


「私がサイボーグだって言いたいの?」

「でも、人間卒業しているのは間違いないですよね?」


 う……。

 まぁ眷属憑依とはいえ、龍天使にはなっちゃったからなぁ。


「凛ちゃん、私がゲーム関連の話するときだけアタリ強いよね?」

「私はあのゲームの話をしている時にそうなるんじゃなくて、天先輩が本来ありえないことを当たり前のようにやっているのが到底受け入れられなくてそう言ってるだけですよ」

「し、仕方なく覚えちゃっただけだよ。何千と倒すついでに最適な倒し方を模索していった時の副産物だし……」

「普通の人は、あんな鬼畜難易度のボスドロップ品をカンストさせようとは思いません!」


 そ、そんな……!?

 ま、まぁそりゃあ理不尽な死が一定確率であるから効率は悪いかもしれないけどさ。


「だって、邪神のドロップアイテムとそこからできるクラフトアイテム、全部カンストさせたかったんだもん……」

「だもんぐうかわ」


 うるさいやい。

 ほらなんというか、薬草と薬草から生成できる回復アイテム、両方カンストしてた方が何かと便利でしょう?


「そのまま付いている……つまり、迷路の横に接続されて凹凸がないことが何か私たちにとって何かしらのメリットになるということですか?」

「そう、そこなんだよ。良い着眼点だね、エルーちゃん」

「ふふ、誉められちゃいました……」

「もしかして、ここから攻撃が……ボス部屋まで届くのか?」

「ご名答、涼花さん!ボス部屋はゴール位置に付いているんです。ですからここからゴールに向かって直接遠距離魔法を放てば……」

「まさかっ、邪神が認知しないまま一方的に邪神にダメージを与えられるんですか……!?」

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