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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第884話 吸収

「どうやってこの娘をお助けになるつもりですか?」

「『『今からこの娘の光属性をシルヴィアの身体に移植する』』」

「ソラちゃんが吸収することはできないのか?」

「『『それは不可能だ。魂が耐えられなくて壊れるらしいからな』』」


 以前真桜ちゃんが前世で交通事故に遭って死んだとき、その魂を神体に入れたらどうかと提案したが、魂が耐えられないとエリス様が言っていた。

 その言葉通りに考えれば、きっと神力というものを閉じ込めておく器は神体でしか耐えられないのだろう。


「『『憑依解除』』シルヴィ、任せたよ」


 ちょうど胴体と腕の再生が終わりだした頃を狙って憑依を解除する。


「はい。では――」


 僕たちが離れてシルヴィが手を翳すと、白い光がシルヴィの手に吸収されていく。


 名前:アビス

 種族:邪龍神族 性別:女

 ジョブ:邪神姫 LV.200/200

 体力:-/- 魔力:1295/8000

 攻撃:1500

 防御:1000

 知力:1000

 魔防:1000

 器用:1000

 俊敏:1500


 スキル

  闇属性魔法[極]・無属性魔法[極]




 うーん、見事に脳筋ステータスだ……。

 体力がないのは魔族にとって、魔力が体力そのものだからだろう。

 勝手に鑑定しちゃったけど、名前はアビスって言うのか。

 ハープちゃんは龍神族だけど、邪龍神族って何が違うんだろう?


「ソラ様、ご無事で!」

「私は大丈夫だよ」

「あの子は大丈夫なんですか?」

「凛ちゃんっ!」

「わっ、天先ぱっ……」


 リンちゃんを全力で抱き締める。

 二年前、サクラさんが魔王にやられたときを思い出した。

 あのときはうずくまって冷たくなっていたサクラさんを見て怖くなっていた。

 目の前で生命力が徐々になくなっていく姿を見ていられなかったからだ。

 もう誰も失いたくなかった。


「ぐすっ、生きててよかった……良かったよぉ……!」

「皆さんのお陰です、ありがとうございます」


 僕は安堵の感情とともに、しばらくわんわんと泣いていた。




「それで、あの子はどうなるんですか?」

「あの子次第だね。光属性を奪ってから邪神側に付くようなら、助けてはあげられないよ」

「そう、ですね……。分かってます」


 悲痛な叫びを聞いたからか、凛ちゃんの目が揺れていた。


「だが、邪神は移植に何万年と掛かったんだろう?それを取り返すのにもまた時間が掛かるんじゃないか?」

「それはエリス様から剥がすのと、この子に張り付けるのに大量の時間が掛かるだけだよ。闇属性しか持っていない子に、それとは真逆の属性を付与するんだから、反発して当然でしょう?今回は逆だから、吸収するのは一瞬だよ」

「それでしたら、わざわざ娘を拐うのではなく、人間を一人拐ってそれに付与すれば良かったのでは?何故そんな回りくどい手法を……」

「無理やり入れるにしても、受け入れる意思を持たない相手には無効だし、それに身体が耐えられないと意味がないんだ。移植相手が死んだ場合、移植した光属性は元のエリス様の身体に戻るからね」


 この子を見ている感じ、きっと邪神に洗脳されて無理やり受け入れる意思を持たされたのだろう。


「旦那様。吸収、完了しました」

「ありがとう、シルヴィ。あとはこの子が起きるまで待とう」

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