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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第11章 落花流水
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閑話24 次世代

【エリス視点】

「いらっしゃい、サクラ」


 久しぶりに天庭に来た親友を歓迎する。


「久しぶりね、エリス」

「貴女が助かって本当に良かったわ……」

「ありがとう。私もソラちゃんには、本当に感謝しているわ……」

「ソラ君……」


 その固有名詞を聞いて、私は顔が火照るのを感じた。


「どうしたの?いつもの妄想でもしたの?」

「……それよりももっともっと凄いことよ……」

「えっ!?まさか進展があったの!?ソラちゃん、私にはそんなこと一言も話してくれなかったのにっ……。そんな面白そうなこと、どうして教えてくれなかったのよっ!?」


 相変わらず面白いことには目がない親友だ。


「騒がないの!お腹の子に響くわよ」

「はぐらかさないでっ!私だって間を取り持ったんだから、聞く権利くらいあるはずよね?」


 照れ隠しは通用しなかったらしく、言及されてしまった。




「……ソラちゃんに、好きって……言われたの……」

「えっ!?まさかそんなに進んでたなんて……」

「……シルヴィと一緒にね」

「んん?どういうこと……?」


 私はデートの日のことをサクラに話すことにした。




「なるほど……それはラブの好きというよりライクの好きよね」

「うぅ……でも、私はソラ君の口から私に好きって言って貰えて、幸せすぎて昇天しちゃったんだから……」


 あれほどよいASMRはこの世になかった。

 私はシルヴィと心が繋がっているから、シルヴィの昇天とあわせてそれはもう大変なことになっていた。


「まあ親友が順調そうで良かったわ」

「貴女もね。また話せて嬉しいわ……」


 泣くまいと思っていたけど、駄目だった。


「今回のことで、皆に心配をかけちゃったわね……」

「たまにはいいわよ、そういうのも。改めて誕生日、おめでとう。これが私の分で、こちらがシルヴィの分ね」

「ありがとう。シルヴィのは、クッションかな。これは……?」

「普段着としても、お腹が膨らんできても着れるものよ」

「なるほど。ちょっと気が早い気がするけど、ありがたく使わせてもらうわね」

「ソラ君からも同じことを言われたわ……」


 アドバイスを聞いておいてよかった。




「そういえば、リンにゲームを渡したわ」

「あら?結局渡すことにしたのね。凛ちゃん……確か()()()()よね?」

「その言い方はリンに失礼よ。彼女も被害者なんだから……。それにどちらかというと演劇のヘルプを頼んだ方が元凶よ……。あの演劇がなければ、(かなで)家の()()に目を付けられることもなかったんだから!」

「連中って……でもまぁそうかもね。それにしても、もう次世代かぁ……」

「まだ渡したばかりだから、来るのは大分先になるわよ」


 地球とこの世界(アモルトエリス)では時間の流れが違うからね。


 サクラはお腹をさすりながら、自分の次世代(我が子)を慈しむ。


「この子が生まれるのと、どっちが早いかしらね――」

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