表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
1118/1282

第881話 再生

 だが再生はするものの、攻撃自体は通用することが分かった。

 これが邪神が用意した最終兵器なのだとしたら協力ではあるが、今の僕の方がステータスでは勝っているらしい。


 つまりこれから始まるのは、蹂躙だ。


「『『――聖槍ロンギヌス、モード・ドリフター――』』」


 地面に発生している魔法陣をよく見てみると、闇属性の再生魔法ではなく、光魔法の高速再生が使われている気がする。

 それも腕の高速再生までいくとなると、光属性の中でも最上級魔法クラスの魔法でないといけないはずだ。

 いや、それ以上の何かがあるような気がする……。

 何にせよ、僕はこの再生魔法を知らない。


 その上魔族がこれほど高度な光属性の魔法を使っているのがありえない。

 そもそも魔物に光属性は相性が悪くて使えないというのが、エリス様の持っている見解のはずだ。

 それが何故使えているのか、僕には説明ができない。

 無知という恐怖感がさらに不気味さを増してきた。


 だが再生する腕の組織を見ているだけで何もしていなければ、すぐに再び動き出してしまう。

 逆にいうとそれほどの再生能力がある存在だ。


「イタイ……イダイヨ……」


 左手を使い無詠唱で光の太い杭を四本放ち、四肢と身体をがっちり固定する。

 そのまま巨大なドリル状態になったロンギヌスを人間における心臓部分に突き刺し、継続的なダメージを与える。

 再生するのは無詠唱で地面に生成されている魔法陣のせいなので、おそらく魔力を消費して回復しているのだと思う。

 つまり、魔力さえ使いきらせてしまえば倒せるはず。


「『『貴様、殺される覚悟もなしに殺したのか?』』」

「ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛」


 僕よりもあきらかに年上の見た目なのに、精神年齢がまるで児童だ。


「『『心臓を抉っても回復するのか。とんだ化け物だな』』」


 よく見ると、回復するタイミングで魔法陣が地面から出ていることが分かる。


「『『涼花、地面の魔法陣だ』』」

「承知ッ!――無刀・夢幻の舞、断魔(だんま)――」


 涼花さんに魔法陣を切らせる。

 秒間100回くらい切り刻んでいるように見えるが、魔法陣は一向に消えないでいた。


「駄目だ。切っても別の魔法陣が同時多発的に生成されて、間に合わない」


 人間ではあり得ない魔法の使い方だ。

 何故なら同時多発的に魔法を発動して無理やり魔力の効率が良くないからだ。


「『『それなら事切れるまで、相手をしてやる』』」

「ギャアアアアァアアアッッ!!」

「ソラ様……」

「『『痛いか?私の凛を手にかけたこと、後悔させてやる――』』」


 邪神や不死王リッチみたく、いつ即死魔法を放ってくるか分からない。

 楽に倒せるのならそれを選ぶ他ない。


「はぁ、はぁっ、天せんぱっ……ま、まって……!!」

「『『何だ、どうした?凛……』』」

「その子を殺しちゃ、駄目っ!」


 よもや殺されかけた凛ちゃんの方が、僕の腰にしがみついて制止しようとしてきたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ