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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第876話 合技

「おっ、やっと来たか!会いたかったぞ、青龍、白虎、それに麒麟まで!」

「朱雀、私もあなたみたいに親衛隊になれば良かったわ」

「ハープちゃんを狙うなんて不純な動機なら、面接で落としてたよ」

「私は朱雀みたいにバカ正直に正攻法で行くわけないでしょう?変装して行くわよ」

「そもそも本人確認のために魔水晶に触れるんだから、バレないわけないでしょ」

「最低……」


 こっちの台詞だよ。




「よーやっと来よったな!待ちわびたわ」


 火口付近まではもうまともに魔物達がいなくなっていた。


「玄武もティスもお疲れ様。こっちはどう?」

「はぁーっ、暑くて気が滅入るわ……」

「水着をパタパタしないでよ、はしたない」


 どうしてビキニタイプの水着の胸だけ着けるスタイルなんだろう。

 早さに重きを置くのなら、競泳水着とかの方が良くない?

 いや、でも競泳水着着ている人魚の方が正直違和感あるか……。


「暑いんだから仕方ないでしょ」

「それならこれ着なよ……」


 せっかく着るだけで全身が涼しくなるアイスウルフの衣を渡したのに、使わないのなら意味がない。


「嫌よ。そんなことしたら、私のこの美しいラインが見えないでしょう?」

「それ、このふたりの前でそんなこと言えるの?」


 というか二人だけじゃなくて、シルヴィとかハープちゃんとか、神獣は基本的に自分で好きなように見た目を決められる関係上スタイルいいかガタイの大きな神達しかいないんだよね。


「……リョウカはともかく、エルーはそんなでもないでしょ?」


 む……?


「私が身長のことを言うのはアレだけど、身長にしてはある方でしょう?それにエルーちゃんは普段は見えないけど、これでもとてもバストもヒップも形が綺麗で、触り心地も柔らか……」

「ソラ様、殿方もいらっしゃいますから、そ、その辺で……!」

「あの坊やが隙あらば嫁自慢するようになるなんて……私には恋愛相談しなかったくせに」


 変なところで根に持つのやめてよ。


「とにかく、今から合成魔法をやるんだから、今から喧嘩は駄目だよ」

「マイ・教皇・プリンセス~~♥️」

「あ、主!?麒麟が鬱陶しいから退けてくれっ!」

「もう一生離さないんだから♪」

「子供じゃないんだから、嫌がることもしない」

「あの、ソラ様。これからいったい何を……?」

「私達はここの火山の周りの敵は既に全て潰して回った。だからもう邪神のしもべはこの下に終結しているはずだよね」


 ここまで来て四天王にも魔王にも一人も会っていないことから、多分この下にいない魔物や魔族はきっと転移魔法で五国に散らばっているのだろう。

 だから僕達の最重要タスクは、ここから邪神を直接刺激して、転移なんてさせる余裕をなくすことだ。


「神獣全員で、最上級魔法を混ぜ合わせるんだ。今からやるのは、女神エリス様の奥の手、虹色の最上級合成魔法だよ」

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