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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第875話 召喚

「風邪はもう大丈夫?」

「はいっ!」


 今日もメイド服がふりふりしていて可愛い。

 なんて話を本人にしたら、顔を真っ赤にしながら僕にメイド服を着せてきた。


「お髪はどうなさいますか?」

「せっかくだからとエルーちゃんと同じにしようかな」

「……!」


 嬉しそうににこにこしながら、いそいそとお団子を作ってくれる。

 昨日の一件からエルーちゃんは表情を出してくれるようになってくれた。


 なんだかんだでお団子って自分で作るの結構難しいんだよね。

 個人的には男子校で付けていたネクタイより難易度高い気がする。


「らん、らん、らん♪」

「ご機嫌だね」

「涼花さん、おはよう」

「おはよう、二人とも」

「涼花様、おはようございます。本日から火山内部に入るのですか?」


 風邪を引いたのはエルーちゃん以外もそうだけど、それ以外にエルーちゃん含め数人に月の物が来てしまい、念のため療養していた。

 とはいえ別に足止めを食らったわけでもなく、その間も沢山秘薬を持たせた玄武とティスが雨を降らせることで火山付近の敵は弱体化に成功している。

 ここに居るだけで炎系の魔物が沸くので、雨を降らせている限りは敵はいない。

 そしてここで沸き潰しをしていれば、邪神の魔力を徐々に徐々に削る事ができる。


 とはいっても、ここの敵を生成するのに多くの魔力は消費しないから、あまり効率的に邪神の魔力を減らせるわけではない。

 効率が悪いとどうなるかというと、邪神も一方的に減らすだけではないので、魔力を蓄えてしまう。

 僕達の魔力も無限ではない。

 なるべく最大量の魔力回復薬はもってきてはいるけれど、向こうは自然回復分、こちらは回復薬となれば長期戦になればなるほど、こちらに不利なのは明白だろう。

 昨日は主にその話を涼花さんとしていて、方針を決めていた。


「いや、まだ入らないよ。今日は火口付近に行く予定なんだ」

「火山の入り口は中腹でしたよね?」


 何故火山の中に入ろうとしているかというと、ここの下がちょうど邪神がいる本拠地となるからだ。


「うん。でも今日の目的はできるだけ邪神の戦力を減らす事だから」

「?」

<ソラ君、準備できたわよ>

「ありがとう、エリス様。さて、そろそろかな」


 ワープ陣を取り出すと床に敷く。

 時間を置かずに陣が光輝くと、数名の人影がこちらにやってきた。


「強者よ、久方ぶりだな」

「鳳凰様!?」

「それにそのお方は……まさか、神獣の皆様方でしょうか?」

「ひれ伏すが良い」

「エルーちゃん、涼花さん、頭下げなくていいからね」

「若造が……儂でさえお前がこの中で威張れる立場でないことくらい解るわい」

「数万年生きてきてほぼ変わらない爺のくせに、たかが数年早く生まれたことでしかやり込めぬとは。人はそれを老害と呼ぶそうだぞ」


 どうやら鳳凰よりも青龍や白虎の方が先に生まれたらしい。


「老害は二人ともよ、全く……ごめんね、ソラ」


 美容に目がないこのニューハーフが一番まともな気がするよ……。

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