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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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閑話230 有意義

【?視点】

 いたい。


 くるしい。


 きもちわるい。


「う゛ぅ……」


 ぴちゃ、ぴちゃとあのいやなみずのおとがきこえてくる。


 いやだ。


 もういたいのはいやだ。


 でもこのおとがきこえてくると、あのいたいのがやってくる。


「愚かな我が子よ、貴様のような無能を生かしておくことなど本来であればあり得ぬことよ……」

「……」

「よもや意見も持たぬ木偶の坊。使い物にならぬ鉄屑と同じよ」

「…………」


 はんのうをしめしたら、またいたいのがくる。


 ほんのうがそういってる。


「我輩がいなければ生きられぬ分際で、生意気なことをする……」

「いやあああっ!」


 まぐまのようにあついなにかをつばさにあてられて、いたい


 めもみえなければ、においもかんじない。


 ぼくはけっかんひんなんだそうだ。


 あじもかんじないから、どんなにひどいものをたべてもへっちゃらだ。


 でもいたいのだけはどうしようもない。


「あがっ、はぁっ、はぁっ……ぐあああっ!!」

「……そうだ、なぜ気付かなかった。貴様にも利用価値があるじゃないか!」


 え、なにをするの?


 やめて。


「この我輩を蝕む忌々しい光属性とやらを、貴様に移植してしまえばいい!ククク……我ながら最高の使い道を見つけたものよ」

「いやだ!しにたくな……」

「クハハハハ!貴様の生存本能が語りかけでもしたか!?その残念な脳でも魔族に光属性など移植すれば、粉屑となって死んでしまうと分かっているみたいだな!」

「ぐああああああっ!」


 さっきのまぐまとはくらべものにならないようなあつさがからだぜんたいをおおってくる。


「ほうら、貴様の死を以て究極の我輩が完成する!これぞ最高の親孝行よ!」

「あああああああっ!?」


 あつい、あついあついあついあついあつい。


 もうこんなことになるなら、はやくしにたい。


 しなせてほしい。


 でもとくしゅにつくられたこのからだが、それをゆるしてくれない。


「チィッ、時間が掛かりすぎるな……だがこれが終われば、我輩に敵は居なくなる。休む時間などない」

「があああああああっ!?」

「我輩のお陰で生かしてもらっていることを忘れるな。貴様はただ我輩の言うとおりにしていればそれでいい。無能の使い道を考えてやってるんだ、実に有意義であろう?」


 なにいってるのか、なんにもわからないよ。


 ぼくはあたまがわるいから。


 でもそれがぼくにとってよくないことだけはわかってる。


「時間はまだある……」

「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


 こうしてぼくのあたらしいごうもんがはじまった。

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