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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第835話 神霊

 あくる日のお昼頃。


<旦那様、ついに主がお帰りになりました>

<シルヴィ、教えてくれてありがとう>


 今回は帰ってくるのに時間がかかったな。

 多分前世に行っていたんだと思うんだけど、何してたんだろう?


<帰って早々だけど会いに行っても、大丈夫かな?>

<空間転移でお疲れになられているので、すぐに行くのはお止めになられた方がよろしいかと……>

<そうなの?今までそんな素振りは見せていなかったけど、どうしたんだろう?確か、エリス様って聖女を転移する時には力をすごく消耗するけど、神霊体自体を転移してエリス様が前世に行く分には消耗しないんじゃなかったっけ?>

<それ以上は、私からはちょっと……>


 シルヴィでもそれ以上のことは分からないのかな?

 なんだか問い合わせしても部署違いって言われてたらい回しにされているような気分だ。


 でも毎度気軽前世に行っている気がするけれど、神霊体とはいえ異世界に空間転移できるなんて良く考えたら凄いことだよね。

 そんな魔法もゲームにはなかったし、仕組みが分からないからその凄さも良く分かっていなかった気がする。

 これも僕の感覚がバグってきているせいかもな……。

 でもこの世界って意外と魔法と魔道具の力で意外と何でもできちゃうから、仕方ないところはあるよね。


 待てと言われたので、待つついでに天庭に向かう前に、念話で聖女全員に通告をすることにした。


<聖女の皆さん、()()()()をするので、今日いっぱいは絶対に天庭にこないでくださいね?>

<なんてこと……ソラの恩返し、再び……!>

<絶対にするなって言われると、したくなるのが人の性よね>

<やめなさい真桜。はしたない……>

<ごめんなさい、皆さん。でも大事な話なので、よろしくお願いしますね?>

<しょうがないにゃぁ……>


 時間がかかったとしても待っていたのには理由があった。

 邪神の攻略に必要となる最後のキーカードが、エリス様しか持っていない情報だとシルヴィから教えて貰っていたのだ。


「じゃあエルーちゃん、行ってくるね」

「いってらっしゃいませ、ソラ様。()()()()()()()()()()()()()()()()()

「うん。さ、行こ。シルヴィ」

「はい」


 祈りを捧げて視界が真っ白になる。

 雲の上のような真っ白な世界。

 ここに来るのも久しぶりだ。


「はぁっ、はぁっ……ああっ、ソラくん……ただいまぁ……」

「エリス様!?」

「主っ!?」


 そこにはぐったりして横になっていたエリス様の姿があった。

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