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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第820話 想像

 昨日、僕は何をしてたんだっけ……?


「おはようございます、ソラ様」


 隣で裸のまま僕の寝姿を眺めていたメルヴィナ()()()()()を見て、その疑問は解け、一気に現実世界に戻された。


「メルヴィナお姉ちゃん、おはよ」


 ……ん?

 あれ、なんで呼び方変わったんだっけ?


「ふふ、細かいことはよろしいではございませんか」


 よろしくないよ。

 記憶ないのが一番怖いんだから。


「ナチュラルに心読まないでってば。メルヴィナお姉ちゃんこそ、初めてだったんだから……その、色々と細かいことを気にするべきだと思うよ」

「うふふ、そうやってソラ様がお気遣いなさるので、私は安心できるのです」


 目を瞑りながら優しく自分のお腹を撫でるメルヴィナさんが、なんだか絵画に登場する裸婦のように感じた。


 昨日は色々と凄かった。

 どれくらい凄かったかというと、途中からほとんど記憶がないくらいだ。

 まさかエルーちゃんの策略で、流されるままにすることになるとは思わなかった。

 これが尻に敷かれるということなのか……いや、何かちょっと違うような……?


 ベッドの染みを清浄(クリーン)で取り除く。

 時間経過で染みが固まるので、必要魔力が多くなるものの、逆にいえば魔力さえあれば証拠も隠滅できるから、便利といえば便利だ。


「お子が生まれましたら、わたくしが責任をもって育てますからね」

「あっ……」


 そう言ってお腹を(さす)っている姿を見て、ようやく自分のしてしまった過ちに気付いた。

 昨日は僕がまともに考えることも喋ることもできていなかったから、その辺の事前確認なしでしてしまったのだ。


 こういうことはいつもならきちんと説明してお互いに合意した上で話を進めるのに、今回は本当に何の説明もなしにそういうことをしてしまった。

 今回は襲われて犯されたに等しいものの、事実だけを羅列すれば互いの同意もなく、メルヴィナお姉ちゃんと致してしまったことになる。


 その上で、最近の僕はいつエルーちゃんが発情するか分からないから、常に避妊魔法具は付けるようにしている。

 でもそんなことメルヴィナお姉ちゃんが知っているはずもなく、メルヴィナお姉ちゃんは自分が妊娠したかもしれないと思っていることに……!?


「あ、あのね、メルヴィナお姉ちゃん……」

「そんなに申し訳なさそうにしなくても大丈夫でございますよ。覚えていらっしゃらないかもしれませんが、ソラ様と肌を重ねた以上、覚悟はできておりますと申しましたでしょう?ソラ様とのお子は私が責任をもって立派な大人にしてみせます」

「いや、まだ気が早いし……たとえクズだとしても、そこまで薄情なクズじゃないから……」

「なんと、認知していただけるので……!?」

「認知とか、そういう話じゃなくて……」


 むしろ認知すらしないと思われていたの?

 逆に怖いよ。


「メルヴィナお姉ちゃん、聞いて欲しいんだけど……その、昨日は避妊魔道具付けてたから、多分子供は生まれないと思う」

「なんと……!まさか、これが想像妊娠……」


 いや、それはちょっと違うような?

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