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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第31章 頽堕委靡
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第813話 面識

「凛ちゃんはリリエラさんと面識ありましたっけ?」

「会長代理さんとは学園でたまに挨拶するくらいですね。あ……でもそういえばこの間聖女院でお会いした時に、天先輩の話で盛り上がりましたよね」

「ちょっ、リン様!?そ、そのお話はっ……!?」


 お、リリエラさんが狼狽えている。


「天先輩、マリエッタ先生の授業の時はキラキラした目で授業見てて可愛いって話ですよ」

「あぁ、内緒のお話でしたのに……」

「ふふ、ごめんなさい。婚約者に嘘はつけませんので」


 正直凛ちゃんが他人をたじろがせているという事実だけでも貴重な機会だけれど、そのお相手が品行方正のリリエラさんだというのだから、珍しいこともあるものだ。

 でも僕に内緒だったから恥ずかしいって言ってるけどさ、話している内容的には僕の方がもっと恥ずかしいことなんだけど……。


「ソラお姉さま!」


 マクラレン家と漫談をしていると、奥からぱたぱたと音がして、やがてルージュちゃんが現れた。


「ルージュちゃん!」

「ご無事で本当に良かったですわ……!」

「ごめんね、ルージュちゃん」

「赦しません……抱き締めてください」


 妹からこんなに可愛いおねだりを求められて、答えない兄はいないことだろう。


「ソラ君、紹介しよう。弟のムートン・テーラー子爵とオーリー・テーラー子爵夫人だよ」

「ソラ様に御目にかかれて光栄でございます」

「慈愛に光がありますように……」


 オーリー夫人は信心深い人みたいだ。


「私の息子、ロットとその婚約者メイベルです。ロット、挨拶なさい」

「ロットと申します。女神の慈愛に御目にかかれて光栄です、ミスカナデ」


 うわぁ、キザキザのキザだ……。

 身内からふらふらしていると噂だったロット君だけれど、結構予想通りの男の子っぽいな。


「私の婚約者のメイベルです。どうぞよしなに」

「ソラ様、お気をつけください。調子の良いことを言ってこいつ、終始ろくでもないこと考えておりますから」

「お兄様は口を閉じてくださいな。女同士の会話に口を挟むなど、野暮というものでしてよ!」


 メイベルちゃんもルージュちゃんも当たり強いな……。

 女同士って、性別分かってて言ってるよね、ルージュちゃん……?


「ソラ様は私がお守りしますからね……!」

「エルー君の手は煩わせないさ。一瞬で終わらせられるよ」

「いや、過剰戦力だからね?」


 そもそも僕はそっちの興味はないから。


「でも天先輩、可愛ければ()()でもいけるクチじゃないですか」

「いや、急に何言ってるの、凛ちゃん……?今その話関係ないで……ってどうしたんですか?」


 リリエラさんが一人、固まっていた。


「…………リン様、今……なんと?」

「あっ……!?」

「ソラ様、あなたまさか……殿方だったのですか……?」

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