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第伍拾肆話 日始戦争

~釜山に招集された兵士達の宿泊地~


「なぁ、いくらジパング王国が物騒だからって三万人の兵士は集めすぎじゃないのか?」


「それがよ。どうやら、このままジパング王国に攻め込むなんて話もあるらしいぜ」


「マジかよ。正直面倒だが、ジパング王国は肥沃な土地とも聞くし、家族を食わしてやる分の食料は手に入るかもしれねえな」


「最近この半島は不作だからな。仕方ねえよ」


「しかし、始の為に働くのもなぁ」


「まぁ。いづれは伝説の勇者様が来てくださるかもしんねえぜ」


「そんなもんおとぎ話だろ」


「それもそうか。そういえば、なんか沖の方に黒い塊がねえか?」


「だよな。なんだあれ?」


ドゴ―――――――――ンッッッッ!!!!


「何だ今の音!?」


「地震か?」


「いや、沖の方から聞こえ……ん?なんかこっち飛んできてねえか?」


「だな」


「「逃げろーーーーーーーッッ!!」」


ド―――――――――――――――ンッッ!!!!


~連合艦隊旗艦赤城艦橋~


「報告」


「八ッ! やまと、長門、陸奥、三隻の主砲全弾敵宿泊地に命中。敵指揮能力は既に崩壊しかけていると偵察機から連絡がありました」


「民間人に被害が出ていなければいい。しかし、沿岸警備が居るとは予想していたが、ここまでの人数が居るとはな。まぁいい。折角援軍が来てるんだ。手柄を残しておいてやろう」


「一二三長官!! 間もなく第一飛行編隊が到着するとの事です」


「噂をすれば来たな。輸送艦を下せ! 陸さんを上陸させるぞ!!」


「「ハッ!!」」


~第一飛行編隊~


「隊長!! もう直ぐ見えます」


「おう!! 見えたぞ!! 報告通り軍艦がいくつかあるが、関係ねえ所詮は帆船。零戦部隊はそいつらを全部沈めちまえ。俺達九九式部隊は敵さんの陣地に爆撃だ。海さんらはどうやら俺達に手柄を置いといてくれたらしい」


 今回の零戦にはあの航空魚雷を搭載させている。真珠湾での悪夢を繰り返す事は心苦しいが、今後の為に実践投入は必要だろう。だが、心配の必要もなく、魚雷は全弾命中。いくつか不発弾も出たが、その場合は別の機体がカバーした。一瞬にして釜山の港は船の墓場となったのだ。敵陣も統制が取れず、敗走兵で溢れていた。しかし、そこに無慈悲にも九九式による爆撃が行われ、先程まであった宿泊地はただの荒れた野原になり、敗残兵は背中を魚雷を打ち終わった零戦によって打ち抜かれた。

 無抵抗の釜山に第一師団、第二師団、第三師団が上陸、悠々と補給地点を構築し、北上を開始した。

 この戦い、いや、“虐殺”は運が良かった敗残兵によって朝鮮半島全域、そして帝都である北京にまで響いた。


~北京王宮~


「釜山にジパングの兵が上陸してきただと!!」


「はい。陛下。約六万の兵が上陸してきたようです」


「おのれ生意気な……」


「そ、それが、ジパングの兵士だけでなく、例の大日本帝国(ダイヤマトテイコク)とやらの兵らしく、寧ろそちらが本軍との事です」


「釜山には三万の兵が居たはずであろう!! なぜこうも易々と壊滅されておる!!」


「そそ、それが、巨大な浮かぶ黒き城に乗せた強力な大筒と、摩訶不思議な飛竜が現れたらしく……」


「もうよい!! 正直今国内が荒れるのはまずい。特に朝鮮はな……。二十万の兵と飛竜三百騎を向かわせよ!! 圧倒的な力で素早く追い返すのだ!!」


「承知いたしました」


 この情報は上陸部隊の耳にも入り、流石に近代兵器があるとはいえ、六万対二十万では被害が大きくなると判断し、ソウル郊外まで進軍し、そこで防御陣地を築き、第二陣を待つことにした。いざという時は突貫工事で進めた釜山の飛行場から第一飛行編隊が向かってくる。そして時期に第二陣がやってくるというところで、ソウル郊外に敵の二十万の兵士が到着した。敵は布陣を整えるとすぐさま攻撃を開始、押し寄せる大軍勢には機関銃で応戦。野戦砲も当然導入するも、数が多すぎる事と、飛竜騎兵の空からの突撃で前線は混乱。野戦砲陣地にも押し寄せてんやわんやだ。このままではごり押しされるのも時間の問題であった。そんな時、後方からエンジン音が聞こえたかと思うと、飛竜騎兵が次々と撃ち落されていき、敵陣地には爆弾の雨が降り注いだ。しかし、前線で指揮を執っていたアルナさんは違和感を感じ取った。明らかに零戦の数が多い。その理由は直ぐに判明する事になる。

 撤退を考えていた始軍に決定打が打たれたのだ。ソウルに正体不明の船団が上陸、沖には報告にあった巨大な黒い城が現れたのだ。


「どうやら間に合ったみたいね」


「お前が支度遅かったからだろうが友美!! やっぱり女の支度は時間が掛かるからやだね」


「仕方ないじゃない。予想よりも敵が多くて苦戦するかもしれないからって葵姫が言うから、突然第四師団から<桜>に変わったんだし」


「はいはい。分かりましたよ。主砲全弾狙え!! って!!」


「第一戦車中隊を先陣に、<桜>前進!! 陛下のお望みは敵の撃破ではなく殲滅。敵後方に周りこめ!!」


「トマホーク準備。ロンギヌスの槍って奴を見せてやれ!!」


 数が数なだけあってどうやら二人共楽しくなってしまったらしく、持てる全ての力を動員し、二十万人の敵兵を圧倒的な力を持って壊滅させた。主力を壊滅させられた敵に反抗能力は無く、北京も無血開城。

 その事をきっかけに朝鮮国は始に対し反抗を宣言。大日本帝国軍に北京への道を明け渡し、始の政府機関を襲撃した。その大混乱に追い打ちをかけるようにして、始の第三の都市上海に大日本帝国第二戦車中隊を含む第四師団が上陸。抵抗虚しく南京まで進軍を許し、南京は陥落した。

 そして朝鮮北部、南京、上海、台湾を拠点としてハルビンや重慶、広州や香港などに爆撃を開始。始の国民は何もできない国に対し怒りを露わにし、一揆や少数民族の謀反が各地で起きた。大日本帝国軍主力が北京に迫まると、始は講和を提案。しかし、私こと、余裕のある大日本帝国軍大元帥白雪 葵姫はこれを無視。北京に総攻撃を開始しようとしたところで、始は大日本帝国に対して始の皇族と上級貴族の命の保証を条件に降伏した。

 講和会議はジパング王国の下関にて行われ、以下の事が決まった。


一。ジパング王国の独立を承認する事。


一。香港、上海、天津、大連を大日本帝国が百年間租借する事。


一。インドシナ半島、朝鮮半島、満州地域に大日本帝国が現地住民と協議し、インドシナ連邦国、朝鮮国、満州国をそれぞれ建国し、これを承認する事。


一。始国は大日本帝国に対して二億両の賠償金を支払う事。


 以上の事が下関条約として、締結され、日始戦争は終了した。

 そしてそのまま、邪魔をするものが居なくなったことで、大日本帝国は以前から進めていたジパング王国の平和的併合も、行われた。

 これで遂に故郷に帰れる……。それに、ようやく会えそうだね。同士カミツレ……。

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