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第伍拾壱話 手紙

 明けましておめでとうございます。

 翌日、わたしの所に再びウミちゃん達がやって来た。どうも私が見る限りウミちゃんは昨日よりも緊張しているようで既に汗を掻いている。


「それで、ウミちゃん。結論は出た?」


「は、はい。お受けします」


 それを聞いてわたしは嬉しさのあまり座っていた椅子から飛び起きて、対面のウミちゃんにハグをした。


「よく言ってくれたよ~!! よし! じゃ~早速式の準備だ!!」


「え!? そ、そんなに急なんですか!?」


「そうだよ。鉄は熱いうちに打てって言うし」


「は、はぁ……」


「どんな式にする? やっぱり、和風だよね。そうだ!! 祝砲にやまとの主砲使おうか! きっと大迫力だよ!!」


 すると、大興奮のわたしの肩をホムラちゃんが叩いた。


「ちょっと待ちなはれ。確かにお互いの好意は確かめられましたけれども、本人らから直接気持ちは伝えてまへんで」


「「「確かに」」」


「にゃ」


「まぁ、ここは葵から行くべきだろうから任せといて」


「そう言われましても、なんだか緊張します」


「そんなのいらないにゃ。ウミ様はドンと構えてればいいにゃ」


「あら。男性と碌に関わった事のないフウカがそれを言うんか?」


「そんな事無いにゃ!! いつも家来達との訓練は欠かして無いにゃ!」


「そう言う事やないんやが……」


「女性は大変ですな~。僕には付いていけません」


「そんなんやから、影薄いねん」


「そうにゃ。きっとウミ様の伝記が書かれてもおみゃ~の出番はほぼ無しにゃ」


「そ、そんな……」


 わたしがそれを聞いて笑い出すと、周りのみんなもつられて笑い始めた。


「という事があったので、葵! 頑張れ!!」


「なんでだよ!! 全部姉さんが勝手に進めた事じゃないか!!」


 わたしはその後、葵を呼び出し、二人きりで今回の結婚に関しての話し合いをする事になった。なんだかんだでいつも落ち着いている葵が珍しく顔を真っ赤に染めている。


「そんな事言ってもさ、葵のケモナ―具合と、しっかりした女性が好きという点も、ウミちゃんにはマッチしてるじゃない」


「姉さんにそこまで僕の好みを把握されてるのもなんか嫌なんですが……」


「姉たるもの、そこまでして一人前なのだよ」


「そんな事ありません」


 葵も少し落ち着いてきたところで切り出してみる。


「それで、実際のところどうなのさ?」


 葵はなんだか恥ずかしそうにもじもじしながら話し始めた。


「ま、まぁ。確かに、ウミさんは素敵な女性だとは思いますし、好みではあります……」


「だったらいいじゃん!!」


「そういう問題じゃないですよ!! だって、まだウミさんの事まだ殆ど知らないですし……」


「同じ船の中で過ごして今更なにを言う。さっさっと漢気見せなさいよ!!」


「わ、分かりましたよ。僕も男です! 何とかしてみますよ!!」


 その日の夜。わたしは気になったので、葵の部屋に来ていた。少し照れながら、必死に帰そうとしてくる葵を無理やり押しのけると、机の上には執筆中の手紙が置いてあった。葵らしい、おとなしめのプロポーズだけど、これはこれで尊さがあるんだよな~。わたしがその感情に浸っていると、葵は無理やりわたしを部屋の外に押し出した。

 次の日、ウミちゃんの部屋には一通の手紙が届いたそうな。その日から二人の部屋には、毎日の様に手紙が送られてきたそう。


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