第肆拾捌話 編成
再投稿してから、戦艦長門と陸奥の存在を忘れていました。申し訳ございません。
わたしは御前会議の後、自分の部屋に戻ろうとしていた。すると、突然友美ちゃんと一二三に呼び止められた。
「葵姫。あなたこれからどうする気なの? 明確に教えてもらわないと、わたし達軍部も動きにくいのよ」
「分かった。さっきも言ったけど、例のカミツレという存在はわたし達と同じ世界から来ている可能性が高い。だとしたらわたし達と友好関係を築ける可能性は十分にある。その一方で、この世界のどんな国家よりも脅威になりかねない。しかも彼女はボルシェビキを名乗っている。帝国主義を実践しているわたし達を敵視する可能性の方が高い」
「そもそも、俺達の邪魔をしてきたわけだしな」
「それもそうね。そこで葵姫は今回のシベリア出兵で北にボルシェビキの防波堤を創る気でしょ?」
「そう! 流石友美ちゃん! 言論の自由は守っていきたいけど、国家その物を崩壊させられたら元も子もないからね。敵対する可能性があるなら備えておかないとね」
「というかそもそもシベリア出兵って言ったってどの師団を派遣するんだ?」
「それについてはあたしからアルナさんに新しい師団を編成してもらってる」
「待て待て。そんなに軍隊にリソースさいていいのかよ。うちの師団は平時で約六千名で編成してるから今回で合計二万四千名。陸軍に限らずそんなに軍隊に人材を割いたら国が成り立たなくなるぞ」
「それについては大丈夫。師団って言ってるけど職業軍人はそれぞれの師団で大隊規模くらいしか居ないから、全体で二千名くらい?」
「え。ちょっと陸さん。海軍にももうちょっと情報提供してもらってもいいか?」
「そうね。そういえば言ってなかったわね。ジパング王国の開放戦が終わった直後にわたしと葵姫で話してたのよ。職業軍人は大隊規模に縮小して、残りの三分のニは臣民兵、三分の一は予備役で編成してるわ」
「もうそれ師団じゃないよな。旅団だよな」
「「確かに」」
「よ~し。今から俺達で編成会議開くぞ。海軍の配置もついでに相談しておきたい」
「「はい……」」
「まず、陸軍についてだが、聞いた感じだと現状一個師団につき、職業軍人約五百名、臣民兵約三千七百名、予備役千八百名。といった感じだな」
「そうね。予備役を抜くと常時稼働しているのが一個師団当たり約四千二百名。確かに言われてみれば旅団規模ね……今度の陸軍会議で旅団に変えておくわ」
「配置はどうなってるの?」
「現状は本島に戦車大隊を含む第一近衛師団<桜>司令官はあたし山下 友美大将が兼任。沖縄に第二近衛師団<梅>司令官は牛島 満月中将の代理で今村 瞳大将。ジパング王国に警備及び教育用に第一師団司令官はアルナ=イゲイナ少将。といった内容で、これらが全て旅団に改められるわ。これらに加えて、中東派遣大隊五百名司令官は栗林 忠政中将。新たに編成されてシベリア出兵する第二師団。まぁこれも旅団になるわね。司令官はまだ決まっていないわ」
「なるほどな。配置換えとかはしなくて良さそうだな。ただ、満月さんが今中東にいるのがなぁ」
「それについては問題ないよ。今度の中東派遣大隊と入れ替わりで帰って来るから」
「それならいいか。次は海軍だな。あれからかなり纏めてな。本島を母港とする第一艦隊は空母赤城、戦艦長門、護衛艦もがみ、くまの、のしろ。司令官は白雪 葵大将。沖縄を母港とする第二艦隊は戦艦陸奥、護衛艦やまと、みくま、やはぎ。司令官は有賀 幸樹中将。これが連合艦隊であり、連合艦隊司令長官はこの俺、山本 一二三大将が兼任する。そして、編成予定の中東方面艦隊は建造中の重巡洋艦古鷹、軽巡洋艦球磨、多摩、駆逐艦樺、榊、楓、桂で編成される予定であり、俺としては司令官はメルテム氏を推薦する」
「その訳は?」
「彼女は覚えもいいし、我が国に率先して従事してくれている。それに、地理的にも彼女は詳しいだろうし、もしも向こうで緊急事態が発生したとしても、この世界の常識を知ってるから対応可能。向こうには忠政がこれからも居るから連絡も取りやすい。以上が推薦の理由だ」
「確かにうちの国に移住してきてくれて、軍人として従事してくれてるのに、階級も与えず手持無沙汰ってのもあれだしね。これは後で本人に確認を取ろうか」
「ああ。ありがとな」
「それと、配置だけど、折角ジパング王国の長崎に入れるんだから、やまとを置いとこうよ。我が国その物とも言えるやまとを置いておけば、ジパング王国の反日家に対するけん制にもなるし、寧ろ今後の統治の為のプロパガンダとしても使えるだろうしね」
「これは、意見が分かれそうだが、ジパング王国の喉元でやまとを見せつけておくのはいいな。よし。なんとかその方向で進めよう」
「よろしくね」
「これで粗方は大丈夫かしらね……」
「いや。今からが大変なんだよ。ジパング王国との外交に、ボルシェビキとのコンタクト、シベリアに造る新たな領土にそれに伴った大陸との外交。大変なことだらけだよ」
「そうだな。因みに、葵姫はまずどれにに注力する気なんだ?」
「ボルシェビキは葵に注力させて、シベリア出兵は二人に、わたしはジパング王国との外交かなぁ」
「分かったよ。全部叶えられるように俺達が一層奮励努力すればいいんだろ?」
「そゆこと。ボルシェビキにせよ、大陸の大国にせよ、他所に注視するよりもまずは故郷に帰らないとだしね~」
「分かってるわよ。葵姫には結構きついとこもあるって言うのもね」
「お前の自分の信念を貫くスタイルは好きだぜ」
「そう言ってもらえて少し安心したよ」
「「あの時の約束だし」」
「懐かしいね~。頼んだよ」
「「勿論」」




