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第肆拾話 おかえり

 わたし達がスキルに関する緊急会議を終えた後、栗林夫婦の元、アラビア進出への準備が進められていた。そんなある日、遂に第一艦隊が台湾の港に帰港したのだ。

 港では国民が第一艦隊を大きな歓声で向かい入れた。後にこの港は大日本帝国(ダイヤマトテイコク)が世界に羽ばたいた始まりの地として、ハジメ港と呼ばれるようになる。

 葵、一二三、ウミちゃん、そしてメルテムさんは報告の為、皇居に来ていた。そして、七大天使を含めた大日本帝国(ダイヤマトテイコク)の要人達も、四人を迎える為にわたしの事務室に集まっていた。


「姉さん。ただいま戻りました」


「うん。みんなお疲れ様。アラビア進出の準備はもう少しかかりそうだから、しばらくはゆっくりしてね」


「そうさせてもらうわ。もう俺は疲れた」


「そういえば、どうしてメルテムさんが居るの?」


「あはは、あたしとしても、恥ずかしい限りでな。実は……」


「むこうを出港するときにそんな事が……。まぁいいよ。うちに来てくれるんなら。とりあえず、メルテムさんにはうちの海軍の基礎知識を叩きこんでもらいます」


「分かりました。ありがとうございます」


「一二三~。仕事だよ」


「んなッ!! 俺の休みが……」


「すみませんが、よろしく頼みます!!」


「はい……」


「そうだ。ウミちゃん。お客さんが来てるよ」


「え?」


「入っといで~」


「「「失礼します」」」


 入って来たのは、ホムラちゃん、シグレ君、フウカちゃんだった。実は、この三人の浜辺での指導は主にアルナさんに任せていたのだが、時々わたし自身も指導に行っていたのだ。


「あなた達!?」


「「「ウミ様~!! 我が君~!!」」」


 三人は部屋身入って来た瞬間にウミちゃんに飛びついた。


「ウミ様、ご無事で何よりや」


「ウミ様、お怪我などはありませんか!?」


「ウミ様、急いで本国に戻るにゃ」


「ちょっと、待ってほしいのです。貴方達が居るという事は、まさか、葵姫ねえ様……」


「うん。ウミちゃんの立場は聞いてるよ。大変だったね」


「三人共、急いで戻りますよ」


 ウミちゃんはわたしの事務室から出て行こうとした。


「ウミちゃん。わたし達に迷惑をかけたくないのかもしれないけど、もうわたし達は同じ船に乗ってるよ。ここまで来たら、一緒にやろ?」


「しかし、命の恩人にそこまでしてもらうのも……」


「もうわたし達は家族なんだから、手伝わせて」


 わたしがそう言うと、ウミちゃんは胸に手を当てて、わたし達にゆっくりと話し始めた。


「分かりました。では、改めて自己紹介させていただきます。わたしは、平ノ宮 海(ヒラノミヤ ウミ)。ジパング王国の正式な天皇です。今まで自分を隠していてすみません。立場上、素を易々と知られるわけにはいかなかったのです」


 ここで正式な天皇を名乗るなんて、ウミちゃんなかなか度胸があるな……。


「いいよ。とりあえず、ジパング王国の事詳しく聞いてもいい?」


「はい。わたし達がどうしてこんな事になっているのかは聞いていますか?」


「うん。現天皇の悪性に嫌気がさし、現天皇の妹にあたるウミちゃんを新たなる天皇にするために立ち上がったのはいいけど、現天皇軍がかなり強くて新天皇軍は西へ西へ追い詰められて行き、壇ノ浦で新天皇軍は壊滅、逃げ延びた残党は上手く隠れているけど、新たに挙兵できるだけの軍も無ければ、見つかり次第、現天皇軍に拷問さる。その脅威からウミちゃんを逃がすためにウミちゃんの家臣達はウミちゃんを自分の子供と共に船に乗せて、逃がした。しかし、嵐に巻き込まれて、四人は離れ離れになったものの、現状に至るって事でしょ? でも、それなら、味方をまたコツコツと集めていけばいいんじゃないの? ゆっくりと拡大していけば、気づかれにくいだろうし」


「はい。その通りです。ですが、我々には急がねばならない理由があるのです。現天皇軍の主力である源ノ宮(ミナモトノミヤ)家は西の帝国の一つである、ホルス帝国と裏で密約を交わしており、このままでは力の代償にジパング王国はホルス帝国の植民地になってしまいます。だからこそ、それを止めるために、急がなければ……」


「分かったよ。ウミちゃん。そうとあれば、やっぱり、わたし達が手を貸さないとね」


「ですが、やはりわたし達の問題ですし……」


「もしかして、忘れた? わたし達の目標?」


「いえ。そんなことは……」


「なら……」


 わたしは、ウミちゃんの前に立ち手を差し伸べながら重々しく話し始めた。


「汝、開放を求めるか?」


「はい」


「汝、自由を求めるか?」


「はい」


「汝、我々を求めるか?」


「……。はい!!」


「ならば、我々は汝を含めたアジアの人々を開放し、自由を与えるため、この矛をふるい、汝らの盾となろう」


 ウミちゃんは顔をずぶぬれにしながら、わたしに抱き着いてきた。


「ありがとう、ございます……」


「こらこら、そんなに泣いたら、可愛い顔が台無しだよ」


「はい」


「ここにいる総員に告ぐ。一週間の休息の後、直ちに戦闘準備を整えよ。我々は二か月後、ジパング王国を開放しに出陣する!!」


「「「「「「おおぉぉーーッッ!!」」」」」」


「そうだ。みんな。一つ言い忘れてた」



「おかえり」


「「「「ただいま!」」」」

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