第参拾玖話 シンカ
わたしと瞳ちゃん、そして護衛の二人は帝都郊外にある研究所の応接室で、七大天使の応答を待っていた。
緊急会議を開くにあたって、七大天使のみんなに伝令を飛ばした。七人中六人は思念伝達で直接伝令を飛ばしたので、六人は直ぐに連絡が取れた。
しばらくすると、突然応接室の扉が開いた。入って来たのは息の上がった友美ちゃんだった。
「ごめん! 思念伝達をウミちゃんに貸してるから、行動が遅れた」
「大丈夫だよ」
友美ちゃんがソファーに座り、一息つくと緊急会議を開始した。
「これより、緊急会議を開始する。先程、瞳ちゃんから衝撃的な報告があったのでそれを説明する。わたしが大日本帝国の建国を宣言した時、どうやらスキルが進化したそうなの。それで、その情報をみんなと共有したくてね」
「なるほどな。通りで俺が長門を作った時よりも葵が使ってる今の造船スキルの方が効率がいいわけだ」
「確かに、わたしの武器製造スキルもその時以来から成長が著しいわね……」
「今の大日本帝国で重要度の高いスキルはその二つ。とりあえず、葵と友美ちゃんのスキルをまず教えてもらえる? その後に続いてみんなの教えて」
最初は葵のスキル。
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スキル
<<大東亜ノ皇太子>>
・思念伝達 ・翻訳 ・思考加速 ・身体強化 ・暗視 ・望遠 ・鼓舞 ・皇帝覇気 ・海軍工廠
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案の定葵にはわたしの様な鼓舞と皇帝覇気のスキルが存在した。わたしのは超鼓舞だから、これの劣化にはなるけど、皇帝覇気は練度でわたしと同じかそれ以上の力が出せそうだ。
そして、造船は海軍工廠へと進化しており、それの影響もあって現在は、大型艦なら以前の二倍の二隻同時に造れるそうだ。
二つ目に友美ちゃん。
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スキル
<<大東亜ノ陸軍元帥>>
・思念伝達 ・翻訳 ・思考加速 ・並列思考 ・身体強化 ・暗視 ・望遠 ・戦術図 ・戦略図 ・装甲車製造 ・陸軍工廠
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友美ちゃんのスキルは装甲車専用と陸軍関連全般の陸軍工廠に分かれて進化していた。
銃と野砲しか作れなかったスキルが、突然装甲車と両立して造れるようになった理由がこれで分かった。二つのスキルを並列思考で同時に十割の力を使っていたのだ。
三つ目に一二三。
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スキル
<<大東亜ノ海軍元帥>>
・思念伝達 ・翻訳 ・思考加速 ・並列思考 ・身体強化 ・暗視 ・望遠 ・海図 ・戦術図 ・戦略図
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前の二人に比べたら比較的控えめだけど、並列思考に海図に戦略図って、戦略家からしたら喉から手が出る程のスキルだな……。
四つ目に幸樹ちゃん。
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スキル
<<大東亜ノ監視者>>
・思念伝達 ・翻訳 ・思考加速 ・身体強化 ・感覚強化 ・危機察知 ・暗視 ・千里眼 ・海図 ・戦術図
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一二三とはまた違った文字通り索敵や警備向けのスキルだ。でも、幸樹ちゃんは気づいておらず、この前の戦いが起きてしまった。この点はまだまだだね。
五つ目と六つ目に満月ちゃんと忠政君。
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スキル
<<大東亜ノ守護者>>
・思念伝達 ・翻訳 ・思考加速 ・身体強化 ・感覚強化 ・生命力強化 ・塹壕効率化 ・危機察知 ・暗視 ・望遠 ・戦術図
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スキル
<<大東亜ノ開拓者>>
・思念伝達 ・翻訳 ・思考加速 ・身体強化 ・感覚強化 ・生命力強化 ・インフラ効率化 ・危機察知 ・暗視 ・望遠 ・戦術図
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満月ちゃんには主に最初から防衛面を任せていたし、忠政君にはインフラや、離島の開発を任せていたからそれの影響が良く見える。イ号作戦には二人の存在は欠かせない物になるだろうね。
七つ目の瞳ちゃんのスキルは前に言った通りだ。
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スキル
<<大東亜ノ発明家>>
・思念伝達 ・翻訳 ・思考超加速 ・並列思考 ・身体強化 ・暗視 ・望遠 ・発明 ・記録
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記録で脳内にある知識を引っ張り出し、発明で製作する。そしてそれを記録し、その記録から型を発明する。このサイクルで元の世界の物は材料さえあれば、殆ど作ることが出来る。
あれ? わたし達の中でこのスキルが一番チートでは……。
そして最後に忘れかけていたわたしのスキル。
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スキル
<<大東亜ノ天皇>>
・思念伝達 ・翻訳 ・思考加速 ・暗視 ・臣兵召喚 ・超鼓舞 ・皇帝覇気 ・スキル操作
<<禁>>
・**** ・**** ・****
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なんかちょっと変わってるっていうか、『禁』とかいう禍々しくて絶対に使っちゃダメな雰囲気のスキルがあるのだが……。しかももやがかかってて見えないし……。
スキルを与えるだけだったのが、人から人へ移せるようになったのはスキル操作になったからなのか。
それに臣民兵が臣兵になっている。民兵が兵になっているという事は恐らく基礎能力が上がっているのだろう。
もしかしてだけど、わたしのも結構ヤバイ?
「とまぁ、これがわたし達のスキルなわけですが……」
「何というか、異世界だな」
「分かってたことなんですが、これを見るとより実感しますね……」
「そうね。普通にチートだし……」
「なんだか、異世界物の小説で見たよりかは控えめでありますが」
「いやいや。あれはチートのチートやから。これでも十分世界征服できるレベルやから」
「もう俺は知らない。めんどくさそうなスキルになったから俺はしばらく休む……」
「まぁまぁ、忠政。良いスキルじゃないですか」
「「「「「え?」」」」」」
「何かおかしな事言いましたか?」
「え。今、忠政君の事満月ちゃんなんて呼んだ?」
「忠政って言いました。普段はあなたって呼んでるんですが、人前はやめた方がいいかと思いまして」
「なんでなの?」
「それは……」
その時、忠政君が全くツッコミもせず、喋らなくなった事に気が付いた。いつもならツッコんだり怒っていたが、どうやら恥ずかしがっているようだった。
「こうなってしまうので……」
「よし!! 二人共、なんだか羨ましいから、アラビア送り!!」
「じょ、冗談ですよね」
「やめて……」
「え? 冗談じゃないよ。二人共、アラビア送り!!」
「「えーーーーッッ!?」」




