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第参拾捌話 国内視察

『バッカモ――――ン!!』


『まぁまぁ。落ち着けよ葵姫。いいじゃないか。オズメン帝国との条約は結べたんだしさ』


『だからって、もっと何かあったでしょうよ。はぁ。まぁいいや。わたしだってその場に居たら人の事言えないだろうし……』


『まぁ以上が、オズメン帝国での報告だ』


『分かった。今こっちではアラビア派遣部隊とイ号作戦の準備してるから、早く帰って来てね』


『あぁ。行きと違って航路はしっかり分かってるから、大丈夫だ。急げば、一ヶ月程で帰れると思う』


『了解。まだブルベル帝国の中東艦隊にも情報は言ってないだろうから、インド洋は特に急いでね』


『分かった。じゃあな』


『うん。気を付けて』


 わたしは一二三との思念伝達を切り、一息ついた。

 今日は久しぶりに国内の様子を見ることにしよう。

 わたしは最初に皇居付近にある街を見に行くことにした。メイド達に一人で歩くのは危険だと言われたが、わたしが最初に召喚した臣民兵一号と二号を連れて行くと言ったら、メイド達は安心してわたしを送り出してくれてた。

 因みに、現在わたしは一日に二十五体の臣民兵を召喚する事ができるようになっている。かと言っても、現状の領土ではあまり増やしすぎても、食料面や住居面で苦労することになるので、アルナさんと相談しながら召喚している。

 そして、わたしの研究によると、臣民兵は意志を持った使い魔の様なものだと分かった。だが、当然実態はあるし、腹も減るし、学習もするし、個人差もあるし、歳もとる。人間との違いは殆どない。違いと言えば、自分達で繁殖が出来ないという事と、兵士以外の事をやらせても、わたし達の技術や知識は共有されないという事だ。

 そこでわたしは臣民兵達も出世させ、将校になれば名を与えることにした。今の一号と二号は二人共実力も付いて来て今では陸軍大尉になっており、それぞれアオキとアオグと名乗っている。


 わたしが馬を歩ませながら街の様子を眺めていると、街のみんなが大歓迎してくれた。中には果物や野菜、装飾品といった物をプレゼントしてくれた。わたしはみんなの気持ちがありがたかったが、持ちきれないので、気持ちだけ受け取った。

 わたしは賑やかな街を見て安心し、次の場所へ向かった。

 次にわたしは向かったのは農村と、漁村を巡り、みんなを激励するのと共に、最近の食料の様子をうかがっていた。

 どうやらわたし達の世界の技術を導入したことによって、以前と比べて生産率がかなり上がったそうだ。

 わたしは次に、台北に向かった。台北にはわたし達転移組が初めて一から監修した町が建設されていた。わたしはみんなを激励し、建設現場を見たが順調そうだった。

 このままいけば恐らく、元の世界と同じ、もしくはそれ以上の美しい街ができるだろう。

 わたしは皇居に戻り、遅めの昼食を済ませた。

 わたしは今日の視察の最後に、瞳ちゃんが研究をしている研究所に向かった。

 わたしが研究所に着くと、研究所内が何か騒がしかった。わたしと護衛の二人は、急いで研究所内に駆け込んだ。


「どうしたの!!」


 するとそこには涙を流した瞳ちゃん率いる研究チームが居た。


「お~!! 葵姫殿!! 丁度いいところに来てくださったのであります。遂にやったであります!! 遂に、レーダーが完成しました!!」


「おーーーー!! やっとか~。これで安心できるね」


「はい。既に実験も済ませていて、領海内に入ってくる、もがみと零式戦闘機単体と群れも探知できました」


「お~! それなら安心だ。ん?」


「何か気になる事でも? あ。伝令もぬかり無いのでありますよ! 通信機器も軍隊向けに量産しているのであります!」


「違う違う。さっき零式戦闘機の群れって言わなかった?」


「え。はい」


「はいって……。もしかしてあれから増やしたの?」


「あ~はい。エンジンもかなりいい物が出来たので、現状、零式戦闘機は注力して生産したので計百機、九九式双発軽爆撃機は計十機生産できたのであります!」


 わたしは呆れながら、その辺にあった椅子に座り、瞳ちゃんに問いただした。


「報告に無かったけど! というか、最近報告上がってこなかったけど!」


 すると瞳ちゃんは平気な顔して、机の上に山積みされた書類を指さした。


「報告書はあれです!!」


「バッカモーーン!! 報告者はちゃんと提出して! わたしが色々頼んだのがいけなかったのかもしれないけど、国家の存亡にかかわる事だから、そこはちゃんとして!」


「申し訳なかったのであります……。次からは気を付けるのであります」


「まぁいいよ。これからも頑張ってね」


「了解なのであります!!」


 わたしの知らない間に大日本帝国(ダイヤマトテイコク)の技術がかなり進んでいたが、まぁ。国が豊かになっているならいいか。

 訪問しているわたし達三人と瞳ちゃんは、お茶をするために研究室を出て応接室に向かっていた。すると、わたし達四人が廊下を歩いていた時、瞳ちゃんが興味津々な様子で質問をわたしにしてきた。


「そういえば、葵姫殿のスキルはどのような変化を遂げたのですか?」


「え?」


「葵姫殿が大日本帝国(ダイヤマトテイコク)の建国を宣言されてから、わたしのスキルが進化したのであります! なので、葵姫殿も進化したのかと思いまして。例えば、わたしは『大東亜ノ将軍』から『大東亜ノ発明家』に変化したのであります! そのおかげで対象の物、例えば通信機の仕組みや知識がある程度分かっていれば、型を作る事ができ、素材さえあれば誰でも容易に大量生産ができるようになるのであります!」


「……。待って、詳しく聴きたいし、全員のスキルの把握をしたいから思念伝達でリモート会議を開こうか……」


「分かったのであります!」


 なんで瞳ちゃんはこんなに気楽なんだ……。まぁこの瞳ちゃんの探究心は前からなんだけど。だからこそうちの知恵袋なんだよね。

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