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第参拾弐話 沖縄防衛戦(上)

 幸樹ちゃんが高らかに笑っていた時、もがみに一つの電報が入った。それを受け取った乗組員は急いで彼女の所に電報を持って行った。


「艦長! 電報です!」


「なんや? 祝電かなんかか?」


「そ、それが……」


 その瞬間、幸樹ちゃんに思念伝達が飛んで来た。


『幸樹さん!! 電報ちゃんと見ましたか!!』


『なんや? その声は満月はんか! どないしてん? 祝電か?』


『そんなこと言ってる場合じゃないですよ!! 沖縄に、沖縄に……』


『沖縄に?』


『約二千人の敵兵が上陸してきました!!』


『なんやて!?』


 大日本帝国(ダイヤマトテイコク)にはレーダーがもがみ型にしかなく、普段からも海上の目の少なさには懸念を抱いていた。

 しかし、だからこそ島々の防御の島々を固めていたのだ!

 少し前の事、沖縄本島首里城司令部。ここでは満月ちゃんが第五師団の指揮と、沖縄の政治の中枢を担っている。

 そこに突如、兵士が飛び込んできた。


「牛島中将。報告します! 読谷村の海岸に二千のブルベル帝国の兵士が上陸! 周辺の村が占拠されました!」


「なんですって!!」


「お指示を!」


「琉ロ号作戦開始! これ以上先に進ませてはなりません!」


「はッ!!」


 流ロ号作戦とは、ざっくりと説明すると渡具知ビーチに上陸されたときを想定していて、機甲大隊で敵を釘付けにして時間を稼ぎ、歩兵大隊で敵兵を包囲。最後に、砲兵中隊全軍を歩兵大隊後方に配備し、砲弾の雨を降らせて敵が怯んだ隙に歩兵大隊で全面攻勢するといったものだ。

 その頃、ブルベル帝国上陸部隊司令部では司令官が高らかに笑っていた。


「ハッハッハッ! どうやら中東の奴らが言っていたのは本当の様だな。主力の戦艦は出払っているようだ。ここのイエローモンキー共も我らがブルベル帝国をなめた罰で奴隷になってもらおう。ハッハッハッ!」


ド――ンッ!!


 すると、突然大砲の様な音が辺りに響いた。


「何事だ! もう奴らが反応してきたのか? いや、こちらは奇襲を仕掛けているんだ。大砲ただの歩兵よりも大砲を先に準備できるのはおかしい……」


 ブルベル帝国の司令官が頭を抱えていると、テントの中に兵士が一人、慌てた様子で入ってきた。


「司令官! 報告いたします! 島を分断しようと森を前進していたところ、突如として敵の大砲が出現いたしました!」


「森に大砲だと!? 森の中に陣地が既に築かれていたのか!?」


「そ、それが、連絡係の情報によると、移動しながら撃ってくる機械仕掛けの大砲なようで……」


「何!? こんな極東の国が、そんな我々をも凌駕する化学力を持っているわけがないだろう!! 我々を脅かすための張りぼてに違いない。銃でハチの巣にしてしまえ!」


「わ、分かりました」


「ったく。こんな島に苦戦するわけないだろうに……」


 しかし、司令官の予想とは違い、前線は地獄だった。

 そう、友美ちゃんの多大な努力によって八九式中戦車は実戦配備できるまでに改良が進み、量産されていたのだ! その数は六十両! 上陸してきた部隊を殲滅するには十分な数だ。


ド――ンッ!! ド――ンッ!! ド――ンッ!!


「「「「「「ギャーーーーーー!!」」」」」


「隊長! あのモンスターのせいで既に部隊の大半がやられました! 撤退の指示を!」


「しかし、我々誇り高きブルベル帝国軍がこんな極東で撤退するなど、許されるわけが無かろう!! 肉薄するのだ!」


「しかし……。あッ!! あれは、我らが鉄砲部隊ですよ!」


「本当だ! これならあのモンスターも適うまい!」


 ブルベル帝国の鉄砲部隊は陣形を組み、一斉に八九式中戦車に銃弾を放った。しかし、当然そんな物では八九式中戦車の装甲を抜くことは出来ず、兵士達は絶望することになる。


「銃弾が効いてない……」


「た、退却ーーーー!!」


 銃弾が効かないことを目の当たりにした兵士達は一斉に逃げ出した。そんな敵の背中を、わたしの第二近衛師団(仮)が、逃がすわけないだろう……。八九式中戦車部隊は無残にも敵の背中を撃ち続けた。


「あいつらいつまでも撃って来やがる!」


「隊長! 危ない!」


バンッ!!


「何!?」


バンッ!!


「ぐはッ!」


 敵がもたもたしている内に歩兵大隊の配備は殆ど完了した。それの圧力もあり、敵軍は下手に行動できなくなった。

 それを聴いた上層部は急遽司令部のテントに集まっていた。


「どうしてだ。何故我々は奇襲を仕掛けたのにこんなにも素早く対応されている! しかも相手はイエローモンキーだぞ!!」


「しかし、摩訶不思議な大砲に、銃が既に通常装備になっていることからも、ブルベル帝国かそれ以上の化学力と技術力を持っていると認めるしか……」


「ふざけるな!! こんな極東の国に我々が敗北するとでも言うのか!!」


「いえ。そう言う事では……」


「そんなことより、あのモンスターをどうやって突破するかですぞ!」


「そうだ。夜の内に森に向かって大砲を設置するのだ。日が明けたら兵士を突撃させ、例の大砲が出てきたところをこちらに引き付けてこちらの大砲で木っ端微塵よ」


「お~! それは良いかもですな」


「イエローモンキー共め……。我らをこけにした事、あの世で悔いるがよい!」

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