第弐拾漆話 秘密
栗林夫婦に沖縄と尖閣諸島の防衛を任せた日の夜、わたしと友美ちゃんで極秘の会議が開かれた。
「それで友美ちゃん。例の物は準備できた?」
「ええ。一応準備バッチリよ」
「それじゃ~。皇居の倉庫でお披露目してもらおうかな」
「了解」
わたし達は皇居の離れにある倉庫に訪れた。そこには警備兵が居たが、わたしの命令でその場から離れさせた。
わたし達は倉庫の中に入り、厳重に戸締りをした後、友美ちゃんは異次元空間から八九式中戦車を出した。
「お~! やっぱり戦車はかっこいいね~!」
「頼まれてたのよりかなり型落ちしちゃったけど、この世界だったらまだ通用すると思うよ」
友美ちゃんはわたしの注文よりもかなり型を下げた物を出してきたので、少しいじめることにした。
「じゃ~型落としちゃったんだから、これを後三十日で五十台に増やしといて」
「えッ……」
「何か変なこと言った?」
「あの~。これ一台作るのに現状だと二日かかるんですけど……」
「え? これって、チヘかケニ?」
「違います……」
「じゃ~。妥協案のチハたん?」
「違います……」
「だよね? クライアントの注文に至らない物を出してそんなにとやかく言える?」
「すみません……」
「も~仕方ないな~。友美ちゃんは親友だしね。おまけしてあげる」
「ありがとうございます!!」
「特別に、一日増やしてあげるね!」
その瞬間に友美ちゃんは膝をついて頭を抱えた。
「んのーーーーーーッッッッ!!」
「静かに! ばれたらまだまずい!」
「はい……」
この時の友美ちゃんの顔は唖然としていた。
それからわたし達はその倉庫を立ち入り禁止にして、そこに八九式中戦車をとりあえず保管した。そして、わたし達はわたしの部屋に戻ると、会議を再開した。
「それで、戦車はまぁいいとして、例の部隊は? そっちはちゃんとできてる?」
「うん。そっちは計画通りに進んでる。安心して」
「ならよかった。その部隊に試験的に八九式中戦車を運用させてみるか」
「そうね。それがいいと思うわ」
「そういえば、例の部隊の名前はどうするの?」
「それは、秘密。本人達にしかまだ明かしてないの」
「そんな~。わたし一応陸軍大臣なんだけど……」
「あれはわたし直属の部隊だから特別~」
「はぁ」
「まぁ、既にその内の一つは活動中だけどね」
「え。まさか……」
「そうだ。あと二つ例の師団を作りたいから、兵士の選抜しておいてね」
「りょ、了解。そうだ。戦車はあれだったけど、もう一つ頼まれてた方は予定通りいけるよ」
「それはいい! 期待しててよかった」
「ありがとう。それじゃ~。あたしはこれで失礼するね」
「うん。またね」
そう言うと友美ちゃんはわたしの部屋から出て行った。
わたしは友美ちゃんが部屋から離れたタイミングで思念伝達を起動した。
『もしもし? ウミちゃん? 聞こえる?』
『はい! 聞こえます!』
『よしよし、上手いよ~。友美ちゃんから思念伝達借りといて良かった』
『とりあえず、報告します。わたし達は先程インド洋に入りました。そしてオズメン帝国とブルベル帝国の方々は今のところ大人しくしています』
『よしよし。順調そうだね。まぁ、向こうに着いた時ともしもの時は頼んだよ。第一近衛師団<桜>団長ウミ』
『はッ!!』




